山陰合同銀行(本店・松江市)が16日発表した、島根県内の企業を対象に実施した本年度の賃上げ調査によると、賃上げを実施した企業は全体の9割近くに上り、物価高と人手不足の中で人材を引き留めようとする防衛的賃上げを色濃く反映した。
 調査は、県内企業690社を対象に今年8月から9月にかけて実施。このうち48%に当たる331社から回答を得た。
 それによると、本年度賃上げを実施した企業は全体の88%に上り、前年度の同じ調査と比べ1ポイント上昇した。賃上げの内容は定期昇給が全体の69%、基本給を引き上げるベースアップが61%。前年度と比べ、定昇割合が1ポイント低下したのに対し、ベア実施割合は3ポイント上昇。年齢や勤務年数に応じて昇給する定昇と比べ、ベアを重視する姿勢が企業の間で強まっている。
 ベア率は3%と前年度の2・96%と比べわずかながら上回った。ベアを引き上げると、賃金水準が底上げされるため、将来にわたって人件費負担が重くなるが、人材を引き留める必要性に迫られた結果とみられる。
 来年度の賃上げ意向では、全体の7割以上が賃上げを予定している。調査結果について同行地域振興部は「業績が悪くても賃上げを実施した企業が半数以上あり、人手不足の中で人材を確保しようとする企業の意向を反映しているのでは」とみている。