しまね信用金庫(本店・松江市御手船場町、藤原俊樹理事長)は25日、同信金本店で総代会を開き、2024年3月期(2023年4月~24年3月)決算案などを承認した。決算は前期に比べ、増収減益だった。
 売上高に相当する経常収益は、前期比1%増の18億8500万円。貸出金利息収入は横ばいとなったが、債券を中心とする有価証券利息配当金が増えた。増収は3期連続。収益から経費を差し引いた経常利益は、46・2%減の2億400万円、税引き後の当期純利益は50・9%減の1億3300万円と3期ぶりの減益となった。取引先の倒産に伴い貸倒引当金が大幅に増えたのが主因。
 金融機関の本業のもうけを示すコア業務純益は3・4%増の4億3400万円。経営の健全性を示す自己資本比率は0・26ポイント上昇して10・09%、貸出金を中心とする与信総額に占める不良債権比率は3・38%と0・39ポイント改善した。
 期末の預金残高は0・8%減の1237億円、貸出金は0・7%減って674億円。貸出金は3期連続で減少した。
 2025年3月期決算見通しでは、与信費用の減少などで純利期は1億円増の2億4000万円を見込んでいる。
 同信金の梅木忠経営企画部次長は「経常収益は増えたが、貸倒引当金など与信費用が増え、利益面では厳しい内容となった」と評価した。日銀のマイナス金利政策解除の影響については金利上昇局面では預金金利の上昇が貸出金利より先行するため、資金調達コストの上昇で当面、利益面では厳しくなると予測。
 役員人事では、任期満了に伴い藤原俊樹理事長を再任、久保田徴常勤理事と藤原真一常勤理事が代表権のある常務理事にそれぞれ昇任、松浦幸嘉事業支援部長が常勤理事に新任。山田健嗣常務理事が常勤監事に転じ、宮﨑健常勤監事が退任した。