民間の信用調査会社、帝国データバンク松江支店が今年4月に実施した山陰両県企業の人手不足に関する調査によると、正社員の不足を訴える企業の割合は50%を超え、不足感は高止まりしていることが裏付けられた。特に今年4月から残業時間が規制されるようになった「2024年問題」の対象となる建設業では7割を超える企業で不足しており、山陰の基幹産業を支える人材の確保が課題となっている。
 調査は、山陰両県の企業を対象に3カ月ごとに行われており、今回は今年4月に実施。調査対象企業431社のうち37%に当たる159社が回答した。
 それによると、正社員が不足していると回答した企業は、全体の53・2%に当たる156社。前回(今年1月調査)の55・9%を2・7ポイント下回った。前回の不足率は2008年1月以降2番目に高かったため、その反動の側面もある。
 業種別では、建設業の不足率が73%と最も高く、次いで不動産業67%、卸売業54%、製造業50%、小売業41%など。
 一方、非正規社員が不足している企業割合は25・9%で前回に比べ3・2ポイント低下。業種別では建設、サービス各40%、運輸・倉庫33%などが続く。非正規社員の場合、正社員の不足を補ったり、補佐的な仕事を任せられたりしているため、正社員と比べると不足感は緩和されている。
 この調査による正社員の不足割合は、2022年に入ってから同年4月の49・2%を除き、毎回50%を超えており、22年7月調査以降8回連続50%を超えている。ピークは22年10月の58・5%。
 同支店は「4月の不足割合が1月を下回ったのは、新年度に入って新卒の社員が入ってきたため、一時的に不足感が緩和されたのでないか。慢性的な人手不足が続く建設や介護、運輸などを中心に不足感は強まるのでは」とみている。