日銀松江支店が7日公表した今年5月の山陰の金融経済動向は「持ち直している」として前月判断を据え置き、5カ月連続で景気判断を据え置いた。ただ、最近明らかになった自動車メーカー大手5社(一部2輪車を含む)による認証不正問題の影響は織り込まれておらず、今後の事態次第で地域経済への打撃が懸念される。
 個人消費など景気判断を構成する6項目とも前月判断を据え置いた。このうち個人消費は、ダイハツの不正認証による出荷停止などの影響で新車の登録台数が減少しているが、主要温泉地の宿泊客は増えるなどモノからサービスへの消費転換が進み、全体としては回復が続いている。
 製造業は、景気の先行きを示す3月の鉱工業生産指数が島根、鳥取両県とも前月比マイナスとなるなど弱い動きとなっている。鉄鋼の生産は下げ止まりとなったが、電気機械や食品、木材・木製品、紙・パルプなどは回復の動きが鈍くなっている。
 雇用・所得環境で今年の山陰の賃上げは1990年以降最高となっているが、多くは人手不足に対応するための人材引き留め目的で、持続的な賃上げに結び付くかどうかがカギを握るという。
 自動車大手5社による認証不正の山陰経済への影響について長谷川圭輔支店長は「(先行する)ダイハツだけでも一定の影響は出ている。今回の不正で生産停止などの動きが広がれば、相当の影響が出る可能性がある」として注視する姿勢を示した。