74億円弱の出資を決定/農林中金の増資に協力/JAしまね
2024年06月01日
有価証券収支悪化で、大幅赤字を見込む農林中央金庫が財務基盤健全化のために、全国のJAに出資を求めている問題で、JAしまね(本店・松江市殿町、石川寿樹組合長)は5月30日に理事会を開き、73億6900万円の出資に応じることを決めた。
農林中金は、全国のJAが集めた預金の多くを受け入れ、債券などで運用した利益をJAに還元している。しかし、このところの米国金利の高止まりで欧米債を中心とする保有債券の収益が悪化、含み損処理などで2024年度は5000億円の最終赤字が見込まれている。低金利の時に取得した債券価格が下がることなどで生じる評価損は、今年3月時点で2兆1923億円。
このため、資本を増強することにし、系列の全国のJAに1兆2000億円の出資を要請している。これまでは全国のJAから預かった資金の運用益を配分し、JAの経営を支えてきたが、今回は支援を受ける立場となった。
JAしまねは、農林中金から資本への転換条件が付いた87億7000万の劣後ローンの返済を受けるとともに、73億6900万円を出資する。その出資額は、農林中金が求めている1兆2000億円のうち7000億円分。残る5000億円分についての出資に応じるかどうかは今後決める。農林中金にとっては資本の質の改善につながる。同JAは、出資負担に応じても本年度の決算は黒字を維持できるという。
JAしまねは昨年度、農林中金から7億4000万円の出資配当を受けたが、今年度はゼロとなる見通し。農林中金の資金運用環境が厳しくなるのに伴い、配当金も減額傾向が続いている。
石川組合長は「これまで配当を受けてきたのが支援する側に回るため、経営は厳しくなるが、赤字になることはない。JAは協同組織だが、自主自立も求められている」と話している。












