記念式典の後、記念写真に収まる関係者ら=11日、松江市魚町の山陰合同銀行本店。 山陰合同銀行(本店・松江市)など山陰に本店を置く三つの金融機関が、松江市内で老人ホームなどを運営するかすみコーポレーション(松江市竹矢町、田邊亮代表取締役)に協調融資を実行し、11日、松江市魚町の同行本店で契約締結を記念する式が行われた。介護や福祉など社会課題解決に必要な資金を金融機関が共同で融資するソーシャルローンで、山陰では初めての試み。
 融資するのは、山陰合銀と、しまね信用金庫(松江市)、米子信用金庫(米子市)の3金融機関。かすみコーポレーションが安来市広瀬町に建設する有料老人ホームの建設資金などに8億5000万円融資する。内訳は山陰合銀が5億円、しまね信金2億円、米子信金1億5000万円。融資期間は25年6カ月。利率は公表していない。
 ソーシャルローンは、公衆衛生や福祉、教育など社会課題解決に向けた民間の事業を第三者機関が認証したうえ、資金調達を支援するため、金融機関が融資する仕組み。
 かすみコーポレーションは、松江市内を中心に有料老人ホームや訪問介護、通所介護など福祉事業を手掛けており、新たに安来市広瀬町に有料老人ホームを建設するほか、松江市内の介護付き有料老人ホームに見守りセンサーなどのIT機器を導入、介護士など職員の負担を軽減する。その取り組みがソーシャルローンの対象としてR&I(格付投資情報センター)から認められた。
 契約締結記念式典では、山陰合銀の田中良和常務執行役員から、かすみコーポレーションの田邊代表取締役に記念の盾が贈られた。田中常務執行役員は「地元の信金と連携して地域課題の解決を積極的にサポートしていく」、しまね信金の藤原真一常勤理事法人営業部長も「高齢化が進む中で一人一人に合った介護サービスの持続可能性が求められている」などと話していた。
 かすみコーポレーションの田邊代表取締役は「働き手の確保が難しくなるなかで強い使命感を持って地域の福祉を支えていきたい」と抱負を語った。

<写真:記念式典の後、記念写真に収まる関係者ら=11日、松江市魚町の山陰合同銀行本店。>