サービス・建設業など深刻

 今年1月時点の山陰両県の企業のうち6割近くが正社員の不足を訴えていることが、民間信用調査会社、帝国データバンク松江支店の調査で分かった。調査を開始した2008年以降2番目に高い割合で、飲食、宿泊などサービス業や建設業を中心に人手不足が深刻化している実態が改めて浮き彫りにされた。
 調査は今年1月、島根、鳥取両県に本社を置く432社を対象に実施。うち37%に当たる161社から回答を得た。
 それによると、正社員が不足していると答えた企業は56%と、昨年10月の前回調査時の54%を2ポイント上回り、同じ調査を始めてから最高だった2022年10月の59%に次いで2番目に高い割合となった。全国では53%だった。
 業種別では、飲食や宿泊などサービス業では80%が不足を訴え、建設業67%、小売業53%などが続いた。
 一方、非正規社員も29%の企業が不足していると答え、前回調査の26%と比べ3ポイント上昇した。業種別では、運輸・倉庫67%を最高にサービス53%、建設36%など。正社員と比べると、不足割合は低くなっている。
 同じ調査で山陰両県企業の人手不足の状況は、コロナ禍が広がった2020年7月に不足割合25%まで緩和されたが、コロナ禍から回復するとともに急速に深刻化。今年4月からトラック、バス運転手、建設業などに残業時間の上限規制が適用される「2024年問題」の影響でさらに加速することが懸念されている。