島根労働局(宮口真二局長)は、昨年6月時点の県内の障害者雇用状況を公表した。それによると、一定規模以上の民間企業を対象に、法律で定められた障害者雇用率を達成している企業の割合は7割で、3年連続して全国都道府県で最高となった。全従業員に占める働く障害者の割合も全国4位となるなど、島根県の民間企業は障害者雇用に全国で最も積極的に取り組んでいる。
 障害者雇用促進法の対象となる従業員43・5人以上の県内企業612社のうち昨年6月1日時点で障害者の法定雇用率2・3%を達成しているのは426社、達成率69・6%。前年と比べ2ポイント上昇した。全国の達成率50・1%を大きく上回り、都道府県別で3年連続1位となった。
 法律が適用される企業で働く障害者は2122人で前年と比べて65人増えた。全従業員に占める障害者の割合を示す実雇用率は2・83%で全国の2・33%を上回った。前年と比べて0・14ポイント上昇し、全国順位は前年の5位から4位に上がった。
 一方、公的機関の実雇用率は、県職員など県機関が2・59%と法定雇用率2・6%にわずかながら届かず、市町村機関は2・66%とかろうじて達成。教育委員会は法定の2・5%に対し、2・52%とぎりぎりで満たした。いずれも前年と比べ、0・01~0・39ポイント上昇した。
 県内では、障害者雇用推進の旗を振る官公庁より民間企業の方が障害者雇用に積極的で「民高官低」の構図が浮かび上がっている。
 県内民間企業の障害者雇用が全国トップクラスとなっていることについて同労働局は「ハローワークと障害者就労支援機関が連携して推進してきた成果。企業が採用する前に障害者に就業体験をしてもらったり、障害者雇用に不安を持つ事業所に指導者を派遣したりする制度が利用されているためでは」と話している。
 障害者雇用促進法では、一定規模以上の企業が法定雇用率を上回って障害者を雇用した場合、法定分を超えた人数について期限付きで1人当たり最大240万円の助成金を支給。逆に守らなかった企業に対しては、未達成1人分につき月2万9000円~5万円の納付金を求めている。