日銀松江支店は13日公表した11月の山陰の金融経済動向で、山陰両県の景気判断を「持ち直している」として前月までの「一部に弱い動きがみられるものの、全体として緩やかに持ち直している」から13カ月ぶりに引き上げた。
 前月までの景気判断の重しとなっていた製造業の不振が底を打ち、個人消費が回復していることなどを踏まえた。
 景気判断を構成する6つの評価項目のうち、生産が「弱い動きとなっている」から「下げ止まっている」、個人消費が「持ち直している」から「回復している」に引き上げた。他の住宅投資、設備投資、公共投資、雇用・所得の4項目は前月判断を据え置いた。
 このうち生産は、電気機械や機械、紙・パルプが持ち直しているほか、食料品が増加。個人消費については百貨店売り上げは弱い動きとなっているが、量販店は堅調に推移。空港利用数が増加するとともに、宿泊・飲食などサービス消費が好調で、モノ消費からサービス消費中心に移行しつつある。
 今年に入ってから島根県内で多発している企業倒産が地域経済に与える影響について長谷川圭輔支店長は「元々業績が悪かった企業がコロナ禍対策で延命されてきたのが、限界を迎えただけであり、影響は限定的」と話している。