飯塚市長に答申書を提出した行財政改革審議会の関耕平会長(中央)と布野敏次副会長(右)=11月30日、出雲市役所 出雲市行財政改革審議会(会長:関耕平島根大学法文学部教授、20人)は11月30日、飯塚俊之市長に市行財政改革第2期実施計画の成果検証と第3次出雲市行財政改革大綱、市行財政改革実施計画の策定に向けての基本的考え方をまとめた答申書を提出した。第3次大綱策定に向けて、デジタル技術活用による業務の効率化や民間活力の積極的活用を求めている。
 審議会は今年7月、市長からの諮問を受け、4回の会議を開いて審議し答申をまとめた。
 取り組みの結果、財政の健全化を示す実質公債費比率は現大綱策定当時の2014年度19・5%が昨年度は12・5%に。市債残高は1188億7900万円が948億800万円に削減するなど着前に改善が進んでいると評価。一方で厳しい財政状況に変わりはなく、引き続き改革の取り組みの必要性を求めている。
 第3次大綱と実施計画策定に向けては、行財政改革の取り組みについて「福祉向上と持続可能な行政サービス提供」「安定的な財政基盤を築く」「デジタルトランスフォーメーション(DX)や民間活力を積極的に活用」の三つの基本方針を設定。具体的には、デジタル技術を積極的に活用した業務の効率化や市民サービスの向上、公共施設のあり方と管理運営、組織体制の充実と人材育成などについて提言をまとめた。
 中でも、人材育成と職場環境については(1)職員が積極的に地域に出かけ、必要に応じて地域住民との対話を実施(2)民間も含めた人事交流(3)ワークライフバランスの推進(4)フレックスタイムやテレワークを活用した多様な働き方を推進─などを挙げた。
 審議会では「これまでの経費節減を強力に進めていく緊縮一辺倒の議論から、DX推進による市民サービス向上や働きやすい職場環境の整備など、社会の変化に応じた前向きな視点も必要」との認識で一致。その上で「これまでの取り組みを継続して実施することを基本に、新たな視点を取り入れることで時代に適した行財政改革が実行できるものと考える」などとした。
 飯塚市長は「緊縮財政一辺倒ではなく新たなニーズや課題にこたえたい。答申を踏まえ大綱や実施計画を策定していく」と答えた。市では、第3次市行財政改革大綱の案を3月議会に諮り、来年4月からの施行を目指す。

<写真:飯塚市長に答申書を提出した行財政改革審議会の関耕平会長(中央)と布野敏次副会長(右)=11月30日、出雲市役所>