竹下登元首相の生家で酒造会社、竹下本店(雲南市掛合町掛谷、竹下三郎代表清算人)が16日、松江地裁から特別清算開始命令を受けた。事業は、会社分割された田部竹下酒造(同所、田部長右衛門社長)が引き継いでいる。民間信用調査機関、帝国データバンク松江支店の調査によると、負債総額は2021年9月時点で1億1700万円。
 1866年(慶応2年)創業、1955年に法人改組された竹下酒造の事業を引き継ぎ、79年に竹下本店として設立。竹下首相が在任中の88年9月期には、主力銘柄の「出雲誉」が全国的なブームを呼ぶなどして、年間3億円の売り上げがあった。
 しかし、その後は売り上げが減少し、酒造設備の3分の2を雲南市に寄贈するなどして、2021年9月期には年間売上高が2300万円に落ち込んでいた。今年4月、株主総会で解散を決議した。
 竹下元首相の弟の三郎氏が経営していたが、後継者がおらず、22年に会社分割。株式会社田部(本店・雲南市吉田町吉田、田部長右衛門社長)の全額出資で設立された田部竹下酒造に事業と設備を譲渡した。