島根労働局(宮口真二局長)が公表した来年3月の県内高卒予定者に対する県内企業からの求人倍率は、8月31日時点で3・1倍で、統計を取り始めた2005年以降最高となった。企業にとって若者を中心とする採用難はますます深刻となり、賃金などいっそうの待遇改善を迫られそうだ。
 来春の県内高卒予定者のうち就職を希望しているのは、前年より3人増えて792人。これに対し、県内企業の求人は前年同期比86人増の3141人。この結果、求職者に対する求人倍率は3・1倍と前年同期を0・07ポイント上回った。
 9地区にあるハローワーク別では、川本の5倍を最高に、安来3・54倍、松江3・5倍、出雲3・17倍、雲南2・9倍など。最低は隠岐の島の1・78倍。
 その一方で求人の伸び率は鈍化しており、前年同期の13・1%から10ポイント近く落ち込んだ。コロナ禍で求人が落ち込んだ20年度を除いた数年でも最低の伸び率にとどまっている
 これについて同局は「県内企業の求人意欲は依然として強いが、全体の求人規模は限られており、採用できる企業は採用している。中には、いくら求人を出しても空振りなのであきらめているところもあるのでは」と話している。
 来春高卒予定者の採用活動は、9月16日から採用選考と内定が解禁されている。