民間信用調査会社・帝国データバンク松江支店が発表した山陰両県企業の管理職における女性の割合は、今年7月現在で平均12%。前年の同じ調査の11%を上回り、比較可能な2015年以降最高となった。
 政府は、女性活躍政策の柱として2030年代に女性管理職比率(従業員10人以上の事業所)を2022年現在の12・7%から30%以上に引き上げる目標を掲げている。目標にはまだ遠いが、山陰両県では徐々に女性登用の機運が高まりつある、と同支店はみている。
 調査は今年7月、山陰両県に本社を置く437社を対象に実施。うち34%に当たる148社から回答を得た。
 女性を管理職(課長級以上)に登用しているかどうかを聞いたところ、「まったくしていない」とゼロ回答した事業所が67社と全体の45%を占めて最も多かった。次いで5%未満19社(13%)、5%以上10%未満14社(10%)、10%以上20%未満13社(9%)など。10%未満が全体の68%を占め、政府目標の30%以上を達成しているのは、19社で全体の13%だった。
 全体の平均では12%となり、同社が同じ調査を開始した15年の5%から2倍以上に増えて過去最高となった。
 女性を管理職に登用しにくくしている理由として「登用したくても管理職を目指す女性が少なく、技術もない」「給与が一定額を超えると、社会保険料を負担しなくてはならない『年収の壁』がある」などを事業所側は挙げている。
 同支店は「山陰の経営者側の意識も年々高まっており、意欲と能力があれば、性別に関係なく相応に処遇するとの考え方が広がっている。ただ、政府目標を達成するには、男性と職場の理解がさらに必要となる」と話している。