出雲市の採石業、新宮採石(出雲市大津町、代表・小畑崇史氏ほか1人)は、経営に行き詰まり、25日、松江地裁から破産手続き開始決定を受けた。民間信用調査会社、帝国データバンク松江支店の調べによると、負債総額は3億3600万円。事業は停止する。
 1968年に設立。出雲市古志町と松江市八雲町に採石場を持ち、砕石や土砂を県内の生コン、コンクリート2次製品、建設業者に販売し、ピーク時の2001年3月期には10億7000万円の売り上げがあった。
 しかし、その後の公共事業の削減や取引先の生コン業者の統廃合などで売り上げが減少し、2023年3月期の売上高は1億4600万円に落ち込んでいた。19年には出雲採石場を閉鎖、今月に入って不動産や機械設備などを奥出雲町の同業者に売却するなど会社の整理を進めていた。
 公共事業が積極的に進められていた最盛期には出雲市内に採石業者は5社あったが、新宮採石が倒産したことで1社しか残っていない。