財務省松江財務事務所が公表した今年4月~6月期の県内の法人企業景気予測調査によると、景気が上向いたとする企業が下降したとする企業を2期ぶりに上回った。
 新型コロナが感染症法上の5類に移行し、宿泊や飲食などサービス業の景況感が大幅に改善したのが主因。先行きの見通しについても持ち直しを期待する向きが多く、長らく企業の景況感の重しとなってきたコロナ禍も落ち着いてきた。
 企業の景況感の動きを示す業況判断指数は、全産業でプラス6・9ポイントと前期(今年1月~3月)と比べ25・8ポイント改善。前期のマイナス領域からプラスに浮上した。このうち製造業は、マイナス18・9ポイントで同14・8ポイント上昇。非製造業は前期から37・7ポイント上昇してプラス21・5ポイントと大幅に上向いた。コロナ禍の影響が薄れた非製造業の改善ぶりが目立った。
 製造業は、海外経済の減速から情報通信機器の景況感が後退する一方、紙・パルプなどでは原材料価格や電気代の高騰を価格転嫁する動きが進んで取引環境が改善した。非製造業では、コロナの5類移行に伴って飲食や宿泊業の客足が増え、特に団体の飲み会が復活して活気を取り戻しつつある。
 今回の調査で特徴的なのは、現状の改善に加え、先行きの見通しが明るくなったこと。この種の調査で企業は先行きを慎重にみる傾向が強いが、今回調査で先行き見通しを聞いたところ、今年7月~9月期、10月~12月期とも景気が良くなると予測する企業が期を追って増え、過半を占めた。現状判断と先行きを含め、3期連続して強気の改善を見込むのは2015年以来という。
 今後の見通しについて同事務所は「これまではコロナの感染状況によって企業マインドが振り回されてきたが、5類移行によって安心感が広がったようだ。ただ、海外経済の減速や物価高などのリスク要因には引き続き注視したい」と話している。
 調査は、県内企業103社を対象に今年5月中旬に実施、99%に当たる102社から回答を得た。業況判断指数は、「景気が良くなった」と答えた企業割合から「悪くなった」と回答した企業割合を差し引いた数値。