民間信用調査会社、帝国データバンク松江支店によると、山陰両県企業による本年度の業績見通しは、増収増益と減収減益を見込む企業がほぼ半分ずつで拮抗。最大のリスクは原材料高。新型コロナが感染症法上の5類に移行するなどコロナ禍後の山陰経済は、消費回復など追い風と、コスト高を中心とする向かい風が併存しながら、両極化が進む見通しとなった。
 調査は、山陰両県に本社を置く417社を対象に今年3月に実施。うち37%に当たる155社から回答を得た。
 それによると、売り上げと利益がともに増える増収増益を見込む企業は39社で全体の25・2%。これに対し、売り上げと利益が減少する減収減益を予測する企業は24・5%に当たる38社と、ほぼ同数。昨年度の同じ調査に比べ、増収増益見込み企業が2ポイント増加したのに対し、減収減益予測企業も1・3ポイント増え、両極化が進んだ。
 業種別では、サービス業を最高に、運輸・倉庫、建設、卸売りの順で増収増益を見込み、卸売、建設、製造、小売りの順で減収減益を予測している。
 業績改善を見込む要因としては、コロナ禍が落ち着くことによる消費回復が最も多く、公共事業の増加、円安による輸出増やインバウンド(海外旅行者)効果などが期待されている。一方、業績下振れリスクには、原油など原材料価格上昇を挙げる企業が最も多く、次いで人手不足の深刻化、賃上げによる利益圧迫などが続く。2022年度の実績では、増収増益企業が全体の29%と2年連続で増加した。
 調査結果について同支店の豊田貴志支店長は「コロナ禍が収束に向かい、基調として景気は緩やかに回復しているが、6月から電気代がさらに値上げされるなどコスト高の要因も加わり、先行きを慎重にみる企業も少なくない」と話している。