財務省松江財務事務所が25日公表した今年4月の島根県の経済情勢は「持ち直しのテンポが緩やかになっている」として、前回1月の「持ち直している」から下方修正した。下方修正は、2020年4月以来3年ぶり。コロナ下の政府支援で下支えされてきた県経済が下降に向けて転換点を迎えたのか、それとも一時的な足踏みなのか、微妙な段階に差し掛かった。


 3カ月ごとに公表している景気判断を下方修正したのは、海外経済の不透明感などで生産活動が停滞しているのが主因。コロナ下でも政府の支援などによって回復してきた県内経済も製造業に陰りが差してきたことで一服感が出てきた。
 主要項目別の判断では、個人消費が「緩やかに持ち直している」、雇用情勢は「持ち直している」として、それぞれ3期(1期3カ月)連続据え置いた。しかし、生産活動は「弱含んでいる」として昨年7月以来3期ぶりに判断を引き下げた。
 生産活動では、半導体不足による自動車メーカーの生産制限が長引いている影響で素材や部品の需要が伸びず、鉄鋼や電子部品、デバイスなどで生産水準が低下している。
 個人消費は、百貨店やスーパーなどの売り上げが前年同期を上回り、乗用車販売も前年より増えた。しかし自動車ディーラーから顧客への納車は、依然として遅れがちで半導体の供給制約の影響が尾を引いている。
 今後の見通しについて同事務所は「今回の判断引き下げをきっかけに、急速に景気が落ち込むようなことは考えにくい。ただ、海外経済の動向や物価高などのリスク要因には注意する必要がある」と話している。