山陰合同銀行(本店・松江市魚町、山崎徹頭取)は、中小企業への新規融資に当たって経営者個人の保証を要しないことを原則とし、3日から適用した。同行は、既に担保や保証に依存しない融資への取り組みを進めており、金融庁などの関連ガイドライン改正に伴って取り組みを加速させる。
 金融機関が中小企業などに融資する際、回収できなくなった場合に備えて、経営者の保証を条件とする慣行がある。金融機関にとっては会社の資産だけでは回収に不安がある場合、経営者の個人資産を押さえることで貸し倒れリスクを軽減できるメリットがある。
 しかし、経営者にとっては会社の借金が返せなくなったら、個人の資産を手放さなければならないなど生活が脅かされるため、新たな借り入れに慎重にならざるを得なくなる。  その結果、中小企業が新規事業や設備投資に慎重になったり、事業承継に当たっても後継者が負債の責任を負わされるのを回避したりするなど地域経済の活性化を妨げる要因となっている。このため、金融庁などが経営者の保証がなくても融資するよう金融機関に求めるガイドラインを示している。
 ガイドラインでは、経営者保証を求めない条件として中小企業側に(1)財務基盤が安定し、相応の収益力や債務の返済能力があること(2)法人と経営者個人の資産やおカネのやりとりが明確に区分されていること(3)金融機関に財務情報を開示していることを挙げている。
 同行ではこのガイドラインに沿って2017年から経営者個人の保証を求めない融資を進めており、2022年4~9月の融資実績に占める比率は、62%と全国の地方銀行100行平均の40%を上回って地銀5位。
 ガイドラインには強制力はないが、同行はこの趣旨をさらに徹底させるため、中小企業への新規融資に当たっては原則として経営者保証を求めないことした。既存の融資について経営者保証を外すかどうかは相談に応じて対応する。
 ただ、経営者個人の連帯保証をなくせば、貸し倒れリスクが大きくなる可能性が高まるため、貸出金など与信リスク管理が求められることになる。
 同行は「事業者が借りやすい環境を整え、地域経済の発展を後押ししたい」と話している。