日銀松江支店が3日公表した山陰両県の3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感は、前回昨年12月調査に比べ悪化したが、「景況を良い」とする企業割合は「悪い」とする企業割合を2四半期連続で上回った。海外経済の減速などで製造業の景況感が大幅に悪化する一方、コロナ禍に対する政府の支援で持ち直した宿泊・飲食サービスを中心に非製造業が改善した。
 景況感を示す業況判断指数(DI)は、プラス6で前回と比べて3ポイント悪化。このうち製造業は、マイナス14と前回のマイナス2から12?落ち込んだ。海外経済の減速や半導体の供給制約で輸送用機械、電気機械、鉄鋼、生産・業務用機械などの生産が落ち込み、食料品製造も物価高の影響を受けて売り上げが減少した。
 一方、非製造業のDIは、前回比2ポイント改善してプラス16とコロナ禍前を上回った。政府による全国旅行支援で宿泊・飲食サービスの好調が続き、運輸・郵便、物品賃貸、不動産も業績が上向いた。しかし、小売業は物価高が消費者の低価格志向を招き、景況感を後退させた。
 先行きについては全産業では悪化を見込んでいるが、製造業は改善、非製造業は悪化を予測している。
 仕入れ価格DIは販売価格DIの2倍以上となり、価格転嫁があまり進んでいないことをうかがわせた。
 長谷川圭輔支店長は「物価高で消費マインドが冷え込む状況にはなっていない。この春の賃上げが消費を左右する鍵となる。製造業は半導体の供給制約が続いており、国内の自動車メーカーは国内生産を優先させるところも出ている」と話している。
 調査は、山陰両県の企業176社を対象に2月末から3月末にかけて実施、すべての企業から回答を得た。業況判断指数は、景況を「良い」と回答した企業割合から「悪い」と答えた企業割合を差し引いた数値。