7割以上が価格転嫁/転嫁率は4割未満/帝国データ松江
2023年03月09日
原材料など仕入れ価格の上昇を販売価格にどこまで転嫁できているかについて、山陰両県に本社を置く企業を対象に調査した結果を、民間信用調査会社の帝国データバンク松江支店が公表した。それによると、7割以上の企業が多少なりとも価格転嫁しているが、コスト上昇分に対する転嫁率は、4割未満にとどまっていることが分かった。
全国の調査結果と比べると、価格転嫁できている企業の割合は、全国平均を上回る一方、販売価格への転嫁率は全国を下回り、今後転嫁率を上昇させることが山陰の企業経営の課題となっている。
調査結果によると、仕入れ価格の上昇を程度に関わらず販売価格に転嫁している企業は全体の75%で、全国平均の69%を上回った。このうち「100%」転嫁しているのは、わずか3%に過ぎず、逆にまったく転嫁できていないと答えた企業も15%あった。
価格転嫁できていない理由としては「取引先企業からの理解を得られない」が4割近くと最も多く、「交渉自体ができない」「不当な要請がある」など相手方が取引上の優越的地位を乱用した「不当取引」を疑わせる動きも一部でみられた。
業種別で価格転嫁できたのは、卸売と小売がともに8割以上となっているが、消費者の低価格志向を反映して消費者に近い「川下業種」ほど転嫁しにくい状況になっているという。値上げ後の消費者離れを警戒して「様子見」をする企業側の姿勢もうかがわれる。 価格転嫁できない部分をどう吸収しているかについては「自社経費の削減」が6割と最も多く、次いで「ロスの削減」「生産の効率化」など。自社でやりくりして対応しているケースが多く、仕入れ先や外注先を変更したなどは2割以下だった。
仕入れ価格などコスト上昇分のうちどの程度を販売価格に転嫁しているかでは、「2割未満」が30%と最も多く「5割以上8割未満」20%、「8割以上10割未満」12%、「2割以上5割未満」10%と続く。
調査結果について同支店の豊田貴志支店長は「価格転嫁にはある程度時間がかかるが、相手方に価格引き上げの根拠を明確に示すなど透明性を持って交渉することが重要になるのでは」と話している。
調査は、山陰両県に本社を置く416社を対象に昨年12月中旬から今年1月初旬にかけて実施。38%に相当する158社から回答を得た。












