民間の信用調査会社、帝国データバンク松江支店が公表した島根県内の2月の倒産は、4件、負債総額2億5900万円で、前年同月に比べ件数で2件、負債総額は1億500万円増えた。今年に入ってからの県内の企業倒産7件は、いずれもコロナ禍で売り上げが落ちるなどコロナ関連。
 2月の最大倒産は、仏壇仏具販売のヤスヰ(本社・安来市)で、負債総額1億5400万円を抱えて破産が決定した。1930年創業の老舗。安来のほか松江、米子にも店舗を構え、新聞やテレビの広告宣伝も積極的に展開するなど知名度も高かった。しかし、住宅事情の変化で仏壇も小型化、低価格化するなど事業環境が厳しくなっているところへコロナ禍による葬式の簡素化なども重なって経営に行き詰まった。
 今後の見通しについて同支店は「コロナ後を見据えた業績回復の足取りは鈍い。物価高によるコスト上昇など懸念材料もあり予断を許さない」と話している。