暮らし向き10年ぶりの悪化

 山陰合同銀行(本店・松江市魚町、山崎徹頭取)は26日、昨年11月実施した山陰両県の消費動向調査の結果を公表した。直近1年間の暮らし向きについて「良くなった」とした人の割合は「悪くなった」と回答した人を割合を2年連続で下回り、暮らし向きの悪化ぶりは2012年以来10年ぶりの大きさとなった。
 最近の物価高が家計を直撃し、11年の東日本大震災による消費自粛ムードが尾を引いていた時期と同水準まで暮らし向きが悪化している実態が浮き彫りになった。
 調査結果によると、1年前と比べて暮らし向きが「良くなった」と答えた人の割合は「悪くなった」と回答した人の割合を24ポイント下回り、前年の15ポイントより差が大きくなった。先行きについても悪化を予想する人の割合は、44ポイント上回るなどリーマン・ショック直後の9年以来の厳しさを見込んでいる。
 原因は、電気代や食品を中心とする物価高を、全体の3分の2の人が挙げている。次いで収入の伸び悩み50%、教育費の増加31%などの順。
 この1年間の総収入は、増えた人の割合が前年より高くなっているが、全体としてみれば減った人の割合を下回り、新型コロナ禍以降3年連続で収入減の傾向は続いている。
 コロナ禍による行動制限が緩和された影響で消費支出は2年連続で増加したが、家計支出に占める費目では物価高を背景に「食料・外食費」「水道・光熱費」「ガソリン代を含む光熱費」が増えている。逆に旅行やレジャー、娯楽費への支出は減っている。
 今後1年間に支出を増やしたい費目は、これまで我慢していた旅行やレジャー、逆に減らしたいのは「水道・光熱費」が筆頭で、電気代値上げなどから生活を防衛しようとする消費者意識をうかがわせた。
 調査結果について同行は「物価高の先行きが見通せず、消費マインドを冷やしているようだ。物価が景気後退を招かないよう春闘で賃上げが求められるようになるのでは」と話している。
 調査は、昨年11月山陰両県の同行店舗来店客2480人を対象に実施、うち24%に相当する585人から回答を得た。