労基法違反2010年以降最多/島根労働局
2022年12月29日
調査対象の75%で違反
島根県内で昨年中に法律で定められた時間を超えて残業をさせるなど労働基準関係法令違反をしていた事業所は、現在の統計方法に変わった2010年以降最多となっていたことが、島根労働局の調査で分かった。違反率も14年に次ぐ水準で、労働時間や職場の安全管理などで立ち遅れている実態が浮き彫りにされた。
県内四つの労働基準監督署が昨年中に1605事業所を抜き打ちで監督指導に入った結果をまとめた。
それによると、労働基準関係法などで違反があった事業所は1208と前年と比べて27%も増加。全体に占める違反事業所の割合は75・3%と前年を2・3ポイント上回り、全国平均68・2%より高かった。
違反の内訳では、職場で従業員の安全を確保するための基準を満たさなかったのが288事業所と全体の24%を占め、最も多かった。次いで基準を超える長時間労働をさせていたのが216事業所(18%)、残業代の未払いなど時間外労働に対する手当額不足208事業所(17%)、労働条件を明示していなかったのが170事業所(14%)など。
このうち労働災害などで従業員が死亡するなど悪質で重大なケース6件については検察庁に書類送検した。昨年は労災で2人が死亡しており、うち1件は作業中に機械に挟まれ、もう1件は、森林作業中に伐採した樹木が積んであった木材に倒れたあおりで亡くなった。
監督指導に入った事業所は、過去に違反歴があったり、事業所内外から情報提供があったりした事業所が多い。
調査結果を受けて同局は「事業主に対し、残業時間管理と合わせ、職場の安全管理を徹底させるよう指導を強化していく」と話している。