後継者不在率全国1位/帝国データ
2022年12月16日
廃業が倒産上回る件数
民間の信用調査機関、帝国データバンク松江支店が自社データベースなどを基に、事業承継について分析可能な島根県内企業を調べたところ、対象企業の75%が後継者を確保できていないことが分かった。同社の全国データでは、島根県の後継者不在率は全都道府県で1位となり、地域経済を支えていく上で事業承継が大きな課題となっていることがあらためて浮き彫りされた。
調査は、2020年10月から22年10月を対象として経営者らとの面接などを通じて分析した結果を含めてまとめた。
それによると対象企業1115社のうち、「後継者がいない、あるいは決まっていない」と答えた企業は75%に当たる837社。同じ調査の全国平均は57%で、島根県の後継者不在率は全国トップだった。最も低かったのは三重県の29%。東京は58%だった。
業種別では、建設業245社が最も多く、次いで製造業157社、卸売業136社、サービス業117社、小売業116社、運輸・倉庫業37社など。企業数に対する不在率では不動産業の90%が最高だった。
経営者の年齢が高いほど後継者不在率が高い傾向を示し、社長が60歳以上の企業の不在率は59%と全国平均の38%を上回り、こちらも全国で最も高い。
規模別では、従業員10~100人未満451社、10人未満314社と小規模企業に多いが、100人~1000人未満も69社あり、中規模企業も後継者難を抱えているところが少なくない。売り上げ規模では年間1億円未満の企業が8割を占めた。
一方、後継者がいる企業278社のうち経営者の子供が継ぐケースが6割を超え、配偶者や親族を含めると8割が同族承継。
後継者の不在は廃業につながりやすく、黒字経営でも後継者がいないため、廃業するケースもある。既に県内では廃業件数が倒産件数を上回る状況となっている。
島根県では行政や経済団体、金融機関などが連携して事業承継対策に取り組んでおり、その態勢は全国でも充実している。しかし経営者の高齢化や事業の将来性に加え、最近ではコロナ禍で事業環境が悪化し、経営を引き継ぐ意欲を後退させているとみられている。 調査結果について同支店は「新規創業より既に技術やノウハウがある事業所を継続させていく方が地域経済の持続性につながる。社長の年齢が高いほど早く後継者確保に道筋をつけるべきでは」と話している。












