2カ月連続で上方修正

 日銀松江支店が4日、10月の山陰の金融経済動向を公表した。生産活動、個人消費などが順調に回復したことから、景気判断は「緩やかに持ち直している」とし、前月の「持ち直しつつある」から2カ月連続で上方修正した。2カ月連続での景気判断引き上げは、2020年11月以来、約2年ぶり。
 6つある評価項目のうち個人消費、雇用・所得を前月から上方修正。生産と設備、住宅、公共投資の4項目を据え置いた。
 生産は、鉄鋼は横ばい圏内で推移しているものの、電気機械、一般機械などで持ち直し。直近8月の鉱工業生産指数は、2015年を100とした95・4で、前月を0・8ポイント上回った。
 観光需要を喚起する政府の全国旅行支援が10月11日から実施されたこともあって、県内空港利用者や主要温泉地の宿泊者数も増加。観光地の入込客数はコロナ禍前の8割方まで戻り、宿泊施設によってはコロナ前の水準を取り戻しているところもある。百官店やスーパーなどの売り上げも増えるなど個人消費も盛り返した。
 一方で、8月の松江市と鳥取市の消費者物価上昇率は、ともに31年ぶりに3%超。消費マインドを冷やす懸念が強まっている。
 同支店の長谷川圭輔支店長は、物価上昇に関して、「今後は注意する必要があるが、今のところは物価高による買い控えの動きはあまり見られない」と指摘。他方で、急速に進む円安などから、「円安は山陰にとってデメリットの方が大きい。年末にかけて消費者物価の上昇や原材料高が消費や企業収益にどんな影響を及ぼすかリスクもある」としている。