宮本食品が倒産/漬物製造
2022年10月13日
負債総額1億6117万円
松江市を中心に栽培されている伝統野菜「津田かぶ」などの漬物製造業、宮本食品(出雲市上塩冶町、宮本憲吉代表)が経営に行き詰まり、松江地裁出雲支部から破産手続き開始決定を受けていたことが、12日までに分かった。民間信用調査機関、帝国データバンク松江支店によると、負債総額は1億6117万円。事業は停止し、従業員はこれまでに減らしてほとんど残っていなかった。
1949年創業。地元の農家と原料契約を結び、津田かぶの浅漬けや独自開発した「はりはりキムチ」などを製造し、山陰両県のスーパーなどを中心に販売。ピーク時の94年4月期の売上高は4億7400万円、従業員も約40人いたが、その後販売先の地元スーパーの倒産などもあって売り上げが減少。今年4月の売り上げは3000万円まで落ち込んでいた。
ここ数年は、従業員を減らすなど規模を縮小して事業を継続していたが、多額の借入金負担も重なって事業継続を断念した。
漬物として親しまれている津田かぶは、松江市を中心とする島根県東部の特産ともなっている。同社が製造する浅漬けも人気があったが、大口販売先の倒産が続くなどして売上代金を回収できないまま不良債権を抱え、債務超過に陥っていた。
<写真:宮本食品社屋(出雲市上塩冶町)>