時給換算で857円に

 島根地方最低賃金審議会(富田眞智子会長)は9日、県内の本年度の最低賃金を現行の時給824円から33円(4%)引き上げて857円とするよう宮口真二島根労働局長に答申した。引き上げ額としては過去最高だった昨年の32円を上回り、異議申し立てがなければ今年10月5日から適用する。
 アルバイトなどを含むすべての勤労者に適用される県内の最賃を巡っては、昨年の答申に対し「高すぎる」として使用者側が反発、再審議を求めて異議申し立てをした経緯があり、今年も経営圧迫を理由に異議申し立てをすることが予想される。 
 最賃は、賃金水準や生計費などを基に都道府県を4ランクに分けて設定している。本年度の最賃を巡っては、中央最低賃金審議会が島根県を含む最低ランク16県の引き上げの目安として30円を答申している。
 島根労働局長から7月に最賃改正の諮問を受けた島根最賃審議会では、最近の物価高から生活を守るため大幅引き上げを求める労働側委員と、コロナ禍と原材料価格高騰で経営が苦しくなっているとして、小幅にとどめるべきだと主張する使用者側委員が鋭く対立。
 労働側は、目安額を上回る38円の引き上げを要求したのに対し、使用者側は31円までを主張。双方折り合いがつかなかったため、公益委員が提示した33円を多数決で決定した。
 引き上げに当たっては最近の物価上昇を重視。松江市の今年6月の消費者物価が前年同期に比べ2・4%上昇、このうち生活必需品である食品が4・1%も上がっていることを踏まえた。
 同労働局は、答申に対する異議申し立てを今月24日まで受け付ける。例年、審議会で全会一致で決まっていた引き上げ額が昨年に続き多数決に持ち込まれたことで、使用者側が反発を強めることが予想される。
 都道府県ごとに決まる地域最賃を踏まえ、業種ごとの最賃も改定され、その審議は例年10月に行われる。