先行き警戒感強まる

 島根県統計調査課が公表した5月の県内景気動向指数(2015年=100)は、景気の現状を示す一致指数で78・4と前月に比べて1・4ポイント下回り、2カ月ぶりに低下した。世界的な貿易拠点である中国・上海の都市封鎖で物流が滞り、日本の工場に部材が届きにくくなって生産活動が停滞したのが主因。 その一方で新型コロナ禍の影響は緩和され、県内景気は、上向きの力と下押しの圧力がせめぎ合う、まだら模様となっている。
 生産や消費の動向を踏まえた5月の県の経済動向は「横ばい圏内ながら一部弱含んでいる」として前月から下方修正した。
 一致指数を構成する7項目のうち生産や投資関連など4項目が前月を下回ったが、百貨店や量販店の売り上げは上回り、空港利用者数も増えた。コロナ禍で打撃を受けた消費や観光関連産業が立ち直りつつある。
 生産は、半導体の供給制約に加え、上海の港湾機能が制約されたことで部材の調達が困難となり、国内工場にも大きな影響が出た。そのあおりで県内の工場の操業にも支障が出ている。
 原油や穀物などの高騰による原材料価格の上昇も生産活動や投資に悪影響を与え、さらに円安も加わって原材料調達コストを押し上げる要因となっている。設備投資など景気の先行きを示す5月の先行指数が前月から8・8ポイント下回り、コスト増に対する企業の警戒感をうかがわせる。
 今後の見通しについて同課は「ロシアによるウクライナ侵攻で鋼材価格が上昇したが、最近では中国経済の減速が景気下押しの大きなリスク要因になるのでは」と話している。