山陰合同銀行(松江市魚町)は、原油や穀物など最近の物価高が山陰両県の企業にどのような影響を与えているかを調べた結果を公表した。調査に応じた企業の9割近くで原材料・仕入れ値が上昇し、半数近くが「利益がやや減少する」と答えるなど影響が広がっている実態が明らかになった。
 原材料価格の上昇を販売価格に転嫁する動きは道半ばで、顧客離れなどを恐れて転嫁できずにいる企業も1割以上あり、企業経営を圧迫する要因となりそうだ。
 調査は、5月30日から6月17日にかけて山陰両県の企業1190社を対象に実施。うち37%に相当する435社から回答を得た。
 それによると、電気、ガス、石油などエネルギー関連を中心に原材料・仕入れ値が上昇していると答えた企業は、379社と回答企業の87%を占めた。
 このうち、仕入れ値の上昇分を価格に転嫁できたと答えた企業の割合は59%。現在は転嫁していないが、今後転嫁を予定しているのが建設業やサービス業を中心に20%、転嫁できないと答えたのは11%の順。
 転嫁できた企業は6割近いが、上昇分をどの程度を転嫁できたかについては幅があり、「8割以上」が卸・小売業を中心に16%、「2割以下」が10%。仕入れコスト上昇分をそっくり販売価格に上乗せできる企業は少数派となっている。
 価格転嫁できない(しない)理由としては「価格決定権がない」が最も多く「顧客離れを懸念」「自助努力で吸収」などと続くが、取引先との力関係や親会社の顔色をうかがう向きもある。対応策として「同業者と協調して取り組む必要がある」とする企業も全体の1割以上あり、「みんなで我慢すれば」と「数の力」を頼む同調据え置きで乗り切ろうとする意識もうかがえる。
 この結果、22年度上半期の営業利益は「やや減少」が49%と最も多く、次いで「大幅に悪化するが、黒字を確保」14%、「採算割れ(赤字)」12%などの影響を見込む一方、「ほとんど減少しない」も12%。
 調査結果について同行は「価格転嫁の動きは途上にあるが、特に電気代高騰は幅広く影響する。仕入れコスト上昇は、利益に対して下押し要因となる。親会社と下請けの関係は調査の対象としていない」と話している。