物価高の下押し懸念

 日銀松江支店が公表した6月の山陰の金融経済動向によると、景気全体は「持ち直しの動きがみられている」として前月の判断を据え置いた。ただ、島根県の新型コロナ感染者が過去最多を更新するなど最新の動きは調査に反映されておらず、今後の感染状況次第で消費や観光需要を中心に景気が悪化する懸念も残る。 
 景気判断を構成する6項目のうち設備投資は、2022年度の製造業の能力増強や非製造業で新規出店、リニューアル投資の計画が前年度を上回り、上方修正した。個人消費や生産動向など他の5項目は判断を据え置いた。 
 製造業は、中国・上海の都市封鎖で物流が滞った影響が電気機械や鉄鋼などに広がり、持ち直しの動きが鈍化している。個人消費は百貨店や家電販売額が持ち直しているが、半導体の供給制約による乗用車の販売落ち込みは続いている。
 5月の消費者物価(生鮮食品を除く)は、前年同月に比べて松江市で1・7%、鳥取市で2%それぞれ上昇し、松江市では8カ月、鳥取市では7カ月連続でそれぞれ前年を上回った。一方で一人当たりの現金給与総額は前年を下回り、家計は苦しくなっている。
 長谷川圭輔支店長は「新型コロナの感染拡大が消費者行動を慎重にさせ、円安の影響も加わった原材料価格の上昇が景気に下押し圧力として働く懸念もある」とみている。