貸し出しは伸び悩み

 しまね信用金庫(本店・松江市御手船場町、藤原俊樹理事長)は、28日開いた総代会で2022年3月期(21年4月~22年3月)決算案を承認した。
 決算によると、売上高に相当する経常収益は21年3月期に比べ2・8%増の18億5600万円。貸出金利息収入は減少したが、投資信託などに積極的に投資した結果、有価証券利息配当金が増えたことが寄与した。税引き後の純利益は、同65%増の1億4100万円を計上するなど増収増益となった。
 本業のもうけを示すコア業務純益は15・1%増えて3億2200万円。経営の健全性を表す自己資本比率は0・5ポイント低下して10・07%、貸出金など債権全体に占める不良債権比率は3・24%と0・33ポイント悪化した。
 預金残高は2・8%増の1216億7900万円、貸出金残高は1・3%減の679億8500万円で8期ぶりに減少した。20年度中に無利子無担保で貸し出したコロナ対策の「ゼロゼロ融資」が出尽くした反動で資金需要が伸び悩んだことなどが要因。
 23年3月期の事業計画では、経常収益は1億円減の17億5600万円、経常利益は7000万円減の2億円、純利益は7700万円増の2億1800万円をそれぞれ見込んでいる。
 梅木忠経営企画部次長は「収益はそこそこ上げたが、取引先の大型倒産などで引当金を積み増すなど与信費用が増え、環境としては厳しい」と話している。