県統計調査課が公表した松江市の4月の消費者物価指数(2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合で101・1と前年同月比1・6%上昇し、昨年10月以降7カ月連続で前年を上回った。同月の全国の上昇率2・1%を下回ったが、電気、ガス代や食品が大幅に値上がりし、上昇幅としては消費税増税の影響を受けた時期を除き2008年10月以来13年半ぶり。
 ロシアによるウクライナ侵攻や円安などでエネルギー、食品を中心に値上げの動きは今後広がり、家計をさらに圧迫しそうだ。
 生鮮食品を含めた項目別で松江市で上昇幅が大きかったのは、灯油26・1%を最高に電気代21・4%、生鮮野菜12・9%、ガス代11・9%、油脂・調味料8・8%など。上昇の寄与率としては光熱・水道、食料が大きい。
 逆に値下がりしたのは、スマホ料金を中心とする通信費10・9%、家庭用耐久財10・8%、履物類7・6%、教養娯楽品5・2%など。これまで物価上昇を抑えてきた携帯料金の値下げ効果が急速に薄れている。
 コロナ禍前まで緩やかに上昇していた松江市内の消費者物価は、2020年2月から下落に転じ、緊急事態宣言の発令などで営業時間短縮の影響を受けた飲食店からの需要が急減した生鮮食品などが下落していた。
 しかし原油などエネルギー価格を中心に昨年秋ごろから上昇基調をたどっている。今後の見通しについて同課は「エネルギーや資源など全国と同様、値上がり傾向が続く」とみている。