銀行として全国初

 山陰合同銀行(本店・松江市、山崎徹頭取)は、太陽光など再生可能エネルギーを活用した発電事業に参入する。全額出資の子会社を設立し、本年度中に事業を開始する。銀行法の改正に伴い、子会社を通じた経営多角化が可能となり、銀行としては全国で初めて発電事業に乗り出す。
 新会社名は「ごうぎんエナジー」で資本金1億円。本社は同行本店内に置き、従業員は当面3人でスタートする。
 山陰両県の公共施設や企業の敷地などに太陽光発電設備を設置。発電した電力は、地権者の自家消費用や両県内の地域電力小売り会社に供給する。地元企業などと連携し、耕作放棄地に太陽光発電施設を設置するなど遊休地の有効利用も兼ねる。
発電規模や販売額など経営計画は策定中で
まだ明らかにできないとしいているが、国が価格を保障しながら、大手電力会社などが買い取るFIT(固定価格買取制度)は利用せず、主に地域の電力小売り会社に販売する。
 地域の電力小売り会社を流通経路に参画させることで電力料金を中心とするお金を地域内で循環させ、エネルギーの「地産地消」に資金循環を伴わさせる狙い。
 同行の山崎頭取は「再エネを巡るマネーを地域内で回すことによって、地域経済の活性化を図りたい」としている。
 地域経済を支える銀行が他業種を手掛けることは、経営安定化の上でリスクとなることも懸念されているが、同行の場合、自己資本比率など経営の健全性が高い。再エネ事業の性格上、個別プロジェクトの採算性が明確でコントロールしやすいことも新規事業進出を促した。