家を売ることにしたい、さてどうするか…
あなただけでなく、多くの人たちにとって不動産売却は初めての経験。
どんな手順で進めたらいいのか、分からないことばかりですよね。
そこで今回は、これから家の売却を検討している方に向けて役立つ情報を一挙お届け。
この記事で分かること
- 家を売る時の流れや費用
- 家を売る時に知っておきたい基礎知識
- 失敗しない!家を売る時のマル秘テク
- 売却時のやっていはいけない注意点・どこがいいのか
- 実際に家を売った人のアンケート結果
以上、盛り沢山な内容となっております!
実際に家を売った人のアンケート結果では、「売却してみてどんなことに後悔しているか?」という貴重なご意見を掲載。
家の売却で失敗しないために、是非ご覧になってみて下さいね。
家を売る時の大まかな流れ
家を売る時の大まかな流れは次のとおりです。

①価格の査定

うちは大体いくらで売れるのだろうか…?
まず気になるのはやはり金額面ではないでしょうか。
そこで、大体いくら位で売れそうか、不動産会社に査定してもらいます。
不動産会社では市場の動向を踏まえた上で、プロの視点から最適な価格をはじき出していきます。
また同時に自分でもある程度の相場感を知ることが可能。
こちらは後ほど詳しくお伝えします。
②媒介契約

第2ステップは不動産会社との「媒介契約」です。
媒介契約とは…?
不動産会社に家の売買に関する「媒介」(仲介)を正式に依頼する契約のこと。
不動産会社では、あなたの代わりに物件の詳細を調査し、広告を出したり購入候補者とやり取りしたりしてくれます。
媒介契約を結ぶということはつまり、不動産会社選びをする、ということ。
ここは重要なステップになりますので、後ほど注意点を詳しく解説します。
③売却活動スタート

第3のステップは「売却活動スタート」です。
媒介契約を締結したら、いよいよ売り出しを開始。
広告を出したり、専門の流通サイト「レインズ」に登録したりして、幅広く買い手を探していくことになります。
具体的な実務は全て不動産会社の方で行います。
あなたの方では広告をチェックしたり、定期的に状況確認をしたりして、不動産会社とコミュニケーションを続けましょう。
そして内覧希望者が出てきたら、不動産会社と連絡を取り合って一緒に対応しましょう。
実際の家を見てもらう絶好の機会ですからキレイに片付け、内覧者の夢がふくらむような見せ方ができるといいですね。
④条件交渉・契約

第3のステップは「条件交渉→契約」です。
条件交渉というのは具体的には価格交渉がメインとなります。
買主側から値引き交渉が行われることがよくありますので、不動産会社を通じて条件のすり合わせをしていきます。
価格交渉の他には、引き渡し日などの条件交渉に応じることもあります。
もろもろの条件に双方が合意できれば、晴れてご契約。
売主・買主・関係者が一堂に集まり、契約書面を交わします。
⑤引き渡し
そして最後は「引き渡し」です。
引き渡しの日付にて、物件の所有権を新しい買主へと移す手続きを開始。
と同時に、売買代金の決済(ローン実行)が行われます。
家のカギも渡して、この日を境に家があなたの手から完全に離れることになります。
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家を売る時に知っておきたい基礎知識

次に、家を売る時に知っておきたい基礎知識について解説します。
売却にかかる期間
「売り出してから売却までの期間」について、不動産ポータルサイトを運営するアットホーム株式会社が2015年に実施した調査によれば、平均8ヶ月となっています。
*自宅売却者の価格・売却までの期間等 調査結果*
平均 購入時価格 |
平均 売却価格 |
平均 居住年数 |
売却までの 期間 |
|
一戸建て (111名) |
3,295万円 | 2,464万円 | 15年 | 11ヶ月 |
マンション (184名) |
3,558万円 | 2,579万円 | 12年 | 6ヶ月 |
全体 (295名) |
3,459万円 | 2,536万円 | 13年 | 8ヶ月 |
※対象:5年以内に首都圏(1都3県)の自宅を売却した人295名
(引用:at home「中古物件の“売り手”と“買い手”のキモチ調査」)
上図によると「売り出してから売却までの期間」は一戸建てで11ヶ月、マンションで6ヶ月、全体の平均で8ヶ月となっています。
一戸建てよりもマンションの方が早期に売却できる傾向があるようです。
ただしこちらは比較的流通量が多いと思われる首都圏エリアでの調査結果であり、地域によってはもう少し時間がかかることも考えられます。
逆に買い手が順番待ちをしているようなマンションなら3ヶ月ほどで売却できることも。
このように物件によって、あるいはタイミングによって売却期間には幅があります。
一般的な物件ならばおおむね1年弱を見込んでおくといいでしょう。
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建物の相場に大きく影響するのは「築年数」

不動産は大きく「建物」と「土地」に分かれるわけですが、このうち「建物」の相場に大きく影響するのはずばり「築年数」。
一方で「土地」の相場は当然ながら「住んでいた年数」で安くなることはありません。
ここでは「建物」の相場の考え方をご紹介します。
日本の不動産市場においては、残念ながら「古い建物」に付加価値をつけることは稀です。
新築時が一番価値が高く、年数の経過とともに少しずつ劣化していくという考えのもと、古くなればなるほどその査定額は減少していきます。
ではどの位のスピードで減額されていくのでしょうか。
その計算の際に指標とされているのが「法定耐用年数」です。
法定耐用年数とは…?
耐用年数とは建物などの資産における使用可能年数(使用に耐えうる年数)のこと。
会計や税務申告で必要な「減価償却」の計算に用いられる耐用年数が財務省令で定められており、これを法定耐用年数と呼んでいます。
耐用年数は、建物のほか機械や車両など、時の流れとともに古くなっていくような資産(=償却資産)に用いられます。
つまり土地には耐用年数はありません。
この法定耐用年数が不動産の価格査定においても用いられています。
具体的な年数について抜粋してみましょう。
- 木造・合成樹脂造のもの(住宅用):耐用年数22年
- 木骨モルタル造のもの(住宅用):耐用年数20年
中古戸建て市場の主流となる木造住宅では、約20年となっています。
実際の査定では20年〜25年で査定額がゼロになるように年々下がっていきます。

(引用:国土交通省「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」)
このように建物の相場は「築年数」に大きく影響されます。
10年で建物の価値は約半分、20年でほぼゼロとなり、売却価格はほぼ土地代のみという計算になるのです。
ただしもう1点、建物の査定では「新築で建てた時の価格」を元に計算するのではなく「再調達価格」を元にする点にも注意が必要。
「再調達価格」とは今もう一度同じ建物を建てるとした場合の価格、という意味です。
参考までに、木造住宅の再調達単価は査定ソフトによっても異なりますが、
14万円/㎡〜20万円/㎡
といった金額をソフトで選べるようになっています。
建物の相場シミュレーション
建物100㎡、再調達単価15万円/㎡、築年数10年とした場合、
再調達価格15万円/㎡×100㎡=1,500万円
築年数10年ならほぼ半分ですから、相場としては750万円、ということになります。
ただし、近年では政府の働きかけもあり、住宅を「使い捨て」ではなく「ストック」として長期間に渡り維持管理していこうという考えが普及しつつあります。
認定を受けた長期優良住宅なら100年住宅とも言われていますし、グレードアップリフォームをして快適に住まうという考えも定着。
こうした流れの中で、上記のように築年数で直線的に価値が下がっていく計算方法ではなく、実態に即した価値を認めて査定額に上乗せしようという動きも出てきています。
⇒参考:国土交通省「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」
マンションの相場はどう計算する?
ここまで、戸建て住宅における「建物」の相場についてお伝えしました。
ではマンションの場合はどうかというと、マンションは上記の考え方ではなく、周辺の取引事例から価格査定されることが多いです。
マンションの方は戸建て住宅に比べると比較的似ている間取りが多く、過去の取引事例から推察しやすいためです。
確かに戸建て住宅の方は土地の広さから建物の間取り・部材までまちまち。
これらを1まとまりとして売買するわけですから、なかなか類似物件を見つけるのが難しいという事情があり、前項でご紹介したような計算方法が主流となっているのです。
マンションの方は、ネット情報などを使って似たような物件から比較的簡単に相場を知ることができますよ。
(自分で調べる方法については後述します。)
売る相手は大きく2種類ある
ここまでの解説は、不動産会社に仲介に入ってもらい一般の「個人」に売却することをイメージしてお伝えしてきました。
ですが実は、売る相手は「不動産会社」ということもあり得ます。
売る相手は大きく2種類
- 一般の「個人」(あるいは一般の「法人」)
- 「不動産会社」
「不動産会社」が買い取るのは、それを自社物件とし、修繕やフルリフォームなど手を加えて再販するのが目的。
あるいは新築住宅などに生まれ変わることも。
この場合、再販までにはコストがかかりますし当然商売として行うわけですから、買い取ってもらう価格は安くなってしまうのがデメリットです。
目安としては相場価格より3割以上、安くなると考えておきましょう。
それから不動産会社では物件の活用価値について見定めてから買取りを決めますので、どんな物件でも買い取ってくれるわけではありません。
ただし!不動産会社の買い取りにもメリットがあります。
それは、早期に売却できる可能性が高まること。
一般の「個人」の買主さんを探すだけでなく「不動産会社」にも当たってみることで、うまく条件合意すればすぐに売却することが可能となります。
また不動産会社自らが買い取る場合は「仲介」とは異なるため、仲介手数料がかからないのもメリットの1つです。
事情があってなるべく早く売却したい
このような方は、不動産会社に売ることを視野に入れてみてはいかがでしょうか。
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どんな諸費用がかかるのか

家を売却するためにはかなり色々な諸費用がかかります。
どんな費用がかかるのか、あらかじめ押さえておきましょう。
*家の売却にかかる費用の内訳*
仲介手数料 | 売買価格×3%+6万円+消費税 |
登記費用 | 住宅ローンが残っていた場合 「抵当権抹消登記」費用 2万円~3万円程度 |
ローン返済手数料 | 住宅ローンが残っていた場合 一括返済手数料 金融機関により異なるが数万円が目安 |
所得税・住民税 | 購入時と比べて利益が出た場合 ・所有期間5年超:税率20% ・所有期間5年以下:税率39% ※特別控除などにより税金がかからないケースが多い |
印紙税 | 契約額1千万円を超え5千万円以下の場合 ・本則:2万円 ・軽減税率:1万円 (令和4年3月31日まで軽減中) |
引越し費用 | ファミリーの場合 8万円〜30万円と高額になることも ※時期×距離により異なる |
その他 | 不用品処分費用:数万円~40万円 設置物解体費用:数十万円〜300万円 敷地測量費:60万円〜80万円 |
以上のうち特に大きいのは不動産会社への「仲介手数料」です。
例)売却価格を2,500万円とした場合
2,500万円×3%+6万円+消費税10%=891,000円 となります。
こうしてみると3%といってもかなりの金額になることが分かりますね。
仲介手数料の支払いは一括払いのほか、「契約時」「引き渡し時」の分割払いとするケースもよく見られます。
住宅ローンが残っている場合はどうなる

売却を検討される時にまだ住宅ローンが残っていると心配になりますよね。
ですが、ご安心下さい。
住宅ローンが残っていても、売却は可能です。
ただし、ローン返済中の家には抵当権がついており、引き渡す時にはこれを外さなければならないのが大前提となります。
抵当権を外すには、一旦ローンを完済することが必要です。
そのためには、売却で得られたお金でローンを一括返済できればベスト。
売却価格でローンを完済しきれない場合は、自己資金で補てんしたり「住み替えローン」を利用するといった方法があります。
いずれにしてもまだ住宅ローンが残っている場合は、残債がいくらなのかをあらかじめ調べておくことが大切です。
ローン契約時の「返済予定表」や、金融機関から送付される「残高証明書」などをお手元に用意して、確認できるようにしておきましょう。
イエイ 口コミ
失敗しない!家を売る時のマル秘テク

家を売る時に失敗しないためには、最初が肝心。
先にお伝えした通り、家を売ろうとする時はまず「価格の査定」から始めます。
このファーストステップで、どう行動するかがその後の明暗を分けるといっても過言ではありません。
では具体的に何をしたらいいのでしょうか。
家の売却で失敗しないためのマル秘テクはこちら。
- 一括査定サービスを活用すること
- 売却相場について自分でも調べること
- 売り出し価格は少し高めに設定する
この3点について順番に解説します。
その後、当記事は次のステップ以降の注意点へと続きます。
こちらはタイミングに合わせてゆっくりお読みいただくのもオススメです。
一括査定サービスを活用しよう

「一括査定」とは家を売りたい人のためのWebサービス。
いつでもどこでもパソコンやスマホから価格査定を申し込むことができます。
一括査定サービスのメリット
- 1回の手間で複数の会社にまとめて依頼できる
- webサービスなのでいつでも好きな時に利用可
- 1社1社訪問する必要なし
- 査定額をカンタンに比較することができる
- 不動産会社を絞り込むのに役立つ
一括査定サービスではまず初めに物件情報やあなた自身の情報を登録。
そして希望の不動産会社へ一括で査定依頼しておけば、各社から査定結果が届くしくみ。
このように、忙しいあなたでもちょっとの手間で多くの不動産会社に査定を依頼することができるのです。
届いた査定結果は複数社のものをカンタンに比較できるため、不動産会社を絞り込むのにも役立つでしょう。
一括査定サービス「イエウール」なら、全国1900社以上から選んで査定依頼できます。
登録されているのは大手不動産会社や地元で実績のある優良会社までさまざま。
ユーザーからのクレームが多い企業はイエウール運営側がしっかりチェックして契約解除などの措置をとっているのも安心ポイントです。
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「イエウール」で申し込みしてみよう

「イエウール」での申し込み方法はカンタン2ステップ。
STEP1:情報登録
売却を検討している物件情報と、あなた自身の情報を入力します。
入力時間の目安は2〜3分。
最初はこのような画面からスタートします。

LINEのようなチャット画面で、選択しながら進んでいきます。

とても分かりやすくなっているのでサクサク進みますよ。
STEP2:一括依頼
査定を依頼したい不動産会社を選んで一括依頼!
何度も同じ内容を伝える必要がないので楽々です。
これだけで、あとは待っているだけで各社から査定結果が届きます。
慎重に比較検討してみましょう!
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不動産会社選びは慎重に

ただし、ここで注意点があります。
届いた査定結果だけを見て安易に1社に絞り込むのはNGです。
不動産売却で失敗しないために特にキーポイントとなるのは「不動産会社選び」だと言われています。
「不動産会社選び」は、いわば「パートナー選び」。
ここを慎重に行うことが、不動産売却の成功のためにはとても大切なのです。
ですから一括査定サービスは「金額を見比べるためのツール」というよりも「多くの不動産会社と接点を持つためのツール」と考えて有効活用されるのがオススメ。
もちろん金額である程度絞り込むことも必要でしょう。
ですがその後は実際に会って、各社の対応や特色などをよく確認するのも大切なことです。
ちなみに現地を調査せずに算出する査定方法は「簡易査定」と呼ばれ、迅速に算出できるのがメリットですが多少の誤差はあると考えた方が賢明です。
より正確な査定額を知りたい場合には「訪問査定」という方法があります。
特に戸建て住宅の場合は個々の物件により状態は千差万別。
早めに「訪問査定」をしてもらうと正確性が高まるためオススメです。
売却相場を自分でも調べよう

家の売却で失敗しないためには、売却相場について自分でも調べてみるのがオススメ。
もちろん前述でお伝えしたとおり、相場については不動産会社や一括査定サービスに依頼すれば査定してもらえます。
ですが今はインターネットを使って自力でもかなり詳細な情報を入手することができます。
ある程度自分で調べる力をつけておくと、不動産会社からの査定価格と比較して気になる点を質問しやすくなり、より納得のいく形で売却価格を決めることができるはず。
ということで、売却相場を自分で調べる方法を解説します。
「建物」の相場については、「築年数」からある程度算出できることは既にお伝えしました。
この方法の他に、近隣の似たような取引事例を調べ、そこから推察する方法がありますのでご紹介します。
過去の取引事例は次のようなWebサイトで調べることができます。
REINS Market Informationで調べる
⇒REINS Market Informationサイトへ
REINS Market Information(レインズマーケットインフォメーション)は不動産会社専用の流通サイト「REINS(レインズ)」の情報を一般向けに公開しているサイト。
ただし全く同じ情報が見られるわけではなく、成約事例に関して個別取引が特定できないように単価や面積などに幅を持たせた表示となっています。
とはいえ不動産売買のプロが使用するレインズと運営元が一緒ですから、情報の信頼性の高さは申し分なし。
上の画像のように「マンション」と「戸建」に大きく分かれ、ここから詳細に検索をかけていくことができます。
国土交通省 土地総合情報システムで調べる

土地総合情報システムは国土交通省が運営しているWebサイト。
不動産の「取引価格」だけでなく、「公示地価」「基準地価」といった土地の価格もまとめて調べることができて便利です。
使い方は、トップ画面から左上の「不動産取引価格情報検索」をクリック。
すると次のような検索画面になり、都道府県地図からは地価関連の情報を見ることが可能。

左側の「種類を選ぶ」のところでは、「宅地」「土地・建物」「中古マンション」などと選べるようになっており、さらに地域を絞って検索していく流れです。
このサイトでは「宅地」のみの成約事例も調べることができるのがポイント。
例えば一戸建ての売却を検討されているなら、
- 土地は近隣の成約事例と地価をもとに推定
- 建物は築年数で把握
そしてこの2つを合算して相場を算出する、といった使い方が可能です。
ちなみに成約事例から推定する際は、できるだけ何点か複数の類似事例をピックアップし、平均化して算出するのがコツ。
Point!
地価にしても成約事例にしても、できるだけ複数の「平均値」で数字を捉えていくことが大切です。
民間の不動産ポータルサイトで調べる
上記2点のほか、民間の不動産ポータルサイトで調べる方法もあります。
- SUUMO
- at home
- HOME’s
などですね。
これらのサイトは利用者フレンドリーな「見やすい画面」となっているのがメリット。
図面や画像つきで楽しく検索することができるでしょう。
デメリットとしては「成約事例」ではなく「売り出し価格」であること。
結果的にいくらで成約したのかまでは知ることができません。
表示されている価格からいくらか減額されていくことは頭に入れておく必要があります。
売り出し価格は少し高めに設定しよう
具体的な売り出し価格は、査定額をもとに決定していくことになります。
不動産会社の担当者からアドバイスをもらいながら決めていくわけですが、あくまでも最終判断するのは売主であるあなた自身です。
Point!
このとき、売り出し価格は少し高めに設定しておくのが失敗しないためのコツ。
最初の売り出し価格から状況次第で値下げしていくこともできますし、購入希望者から値下げ交渉されることもよくあるためです。
最初は少し高めに設定し、その後の状況に応じて値下げに応じ、最終的には納得のいく価格で折り合いがつけばベストですね。
媒介契約の際の注意点

価格査定などのやりとりを通して、実際に売却業務を依頼したい不動産会社が定まったら、正式に「媒介契約」を結ぶことになります。
「媒介契約」とはすなわち、大切な家の売却を依頼するパートナーを決めるということ。
ここは信頼できる不動産会社を慎重に選ぶことがとても大切です。
媒介契約の際の注意点
- 査定価格だけで決めない。
- 売却に強い不動産会社にする。
- 信頼のおける担当者にする。
- 媒介契約を1社だけに絞らない。
これらを1つずつ解説します。
査定価格だけで決めない
査定価格ももちろん大切ですが、実際その価格で売却できなければ意味がありません。
価格だけで決めるのではなく、会社のこと、担当者のことなど総合的に検討して不動産会社を選びましょう。
売却に強い不動産会社にする
一口に不動産会社といっても、「売買」を主に扱うところのほか「賃貸」や「不動産管理」を主とするところ、そもそも別に本業があるところなどさまざま。
日頃から「売買」を多く扱っている会社の方が、情報やノウハウが豊富です。
一括査定サービス「イエウール」なら、登録されているのはもちろん売買に強みを持つ不動産会社。
大手不動産会社や地元で実績のある優良会社まで、お好みで選択することができるためオススメです。
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信頼のおける担当者にする
媒介契約を結ぶ会社を決める時、その会社の担当者が信頼できるかどうかというのは最重要チェックポイントです。
どの担当者がつくかというのは運によるところもありますが、例えば「宅地建物取引士」の資格を持っていると一定レベルの知識を持っている目安になります。
それから上級の役職がついているなど業界での実務経験が長い人なら、知識も経験も豊富だと考えられるため信頼度は高いです。
また、「人」と「人」とのやりとりになりますから、相性もありますよね。
気兼ねなく相談できるか、こちらの意向を汲み取ってくれるか、そして何よりも「信頼できるか」を実際に話をして見極めていきます。
そしてあなた自身も心を開いて良好なコミュニケーションにつとめましょう。
双方が歩み寄って信頼関係を築いていくことこそが大切です。
媒介契約を1社だけに絞らない

媒介契約は「1社だけに絞らない」一般媒介契約がオススメです。
*媒介契約の種類*
専属専任媒介契約 | 1社だけに専任で媒介を依頼 自分で買主を見つけて取引→【不可】 |
専任媒介契約 | 1社だけに専任で媒介を依頼 自分で買主を見つけて取引→【可】 |
一般媒介契約【オススメ!】 | 何社でも媒介を依頼できる 自分で買主を見つけて取引→【可】 |
とはいえ、もし好条件の揃った不動産会社とめぐり会ったのなら「専属専任」や「専任」の方がむしろオススメ、ということもあります。
その方が熱心に、売却へ向けて動いてくれるでしょう。
ですが「専属専任」や「専任」の場合、契約した1社の裁量によるところが大きくなってしまうのが難点。
例えばその1社だけが持つ物件情報に対し、他の不動産会社がお客さんに紹介しようとしても何らかの理由をつけて断ってしまう、なんてこともあり得るわけです。
このような行為は業界で「囲い込み」と呼ばれています。
完全1社のみで仲介することで、売主からも買主からも手数料を得ることが目的です。
もちろんこれは全ての不動産会社に当てはまるわけでは決してありません。
それに、業界専用サイト「レインズ」への物件登録を義務付けるなど、囲い込み防止策が取られていることも確かです。
ですがこの「囲い込み」リスクを完全に払拭することは難しく、またできるだけ沢山の人の目に触れるためにも、1社だけに絞らない一般媒介契約をおすすめしています。
「イエウール」の一括査定サービスなら、少ない手間で複数の不動産会社と接点を持つことが可能。
加えて「イエウール」運営側がユーザーからのクレームをキャッチして悪質な企業を排除するフィルターの役割を果たしてくれるのもメリットですよ。
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売却活動スタート後の注意点

売却活動は基本的には不動産会社の方で進めてもらえます。
では、売主であるあなたはどんなことに注意したらいいのでしょうか。
売却活動スタート後の注意点
- 家について伝えるべきことは全て伝える
- 繁忙期に狙いを定める
- 内覧に力を入れる
家について伝えるべきことは全て伝える
これは媒介契約の時でもいいのですが、いずれにしてもなるべく早い段階で、家について伝えるべきことは全て担当者に伝えなければなりません。
家には一見調査しただけでは分からないようなことが多々あります。
中には持ち主しか知り得ないような情報も。
こんな内容は告知義務があります
- 実は雨漏りする・暴風雨になると雨漏りする
- 庭に埋蔵物がある(かも?)
- 過去に事件があった(自殺・火事など)
- 時間帯により隣からの騒音がある etc.
このように雨漏りなどの物理的なものだけでなく、心理的なものまで告知義務があります。
例えば新しい持ち主が後になってご近所から「ここは昔事件があって…」などと聞かされたら驚いてしまいますよね。
もしかしたら「知っていたら買わなかった」と考えてしまうかもしれません。
ですからネガティブな情報であればあるほど、しっかり事前に伝える必要があるのです。
もしも事前に告知せず売却後に問題が発覚してしまうと、売主は「契約不適合責任」を問われることに。
修理代や損害賠償請求に対応しなければなりません。
ですが、きちんと告知して契約書や重要事項説明書に明記されていれば、買主もそれを納得しているはずなのでトラブルにはならないのです。
繁忙期に狙いを定める

家の売却活動にはいわゆる「繁忙期」が存在します。
それはずばり、2〜3月。
4月は新生活や新年度の月ですから、そのタイミングに向けて新居を決めようとする人が増えるためです。
そこで、この繁忙期となる2〜3月にはなるべく成約できるよう、狙いを定めて行動しましょう。
例えばこの時期に向けて、内覧は増えることが予想されます。
内覧希望者への応対や室内の片付け・掃除など、ある程度の時間をあらかじめ確保しておく位の方がいいでしょう。
売却活動をスタートして期間が経過しているなら、この時期を狙って価格の見直しについて担当者と相談してみてもいいかもしれません。
内覧に力を入れる
繁忙期にかかわらず「内覧」は成約に大きく影響する部分。
良い印象を持ってもらうためには、しっかりと事前準備をしましょう。
ポイントとなるのはキッチン・浴室・トイレなどの水回りのお掃除。
それからリビングや居室についてはきちんと片付けてスッキリと。
戸建ての場合は庭を整え、雨どいやバルコニーをキレイにしておくと印象UP。
あまり生活感を出さないようシンプルに整えておく方が、買い手目線からするとイメージがふくらんで魅力的に映ります。
一度キレイに片付けたら、スマホで室内写真を撮ってみると自分の家を客観視できるのでオススメですよ。
条件交渉・契約の際の注意点

条件交渉では主に「値引き交渉」が行われます。
値引き交渉は非常によくある一般的な出来事なので、焦らなくても大丈夫。
相手との直接的なやりとりは担当者が間に入ってくれますので、そこはご安心下さい。
条件交渉・契約の際の注意点
- 値引きに応じなくてもいい場合もある
- 先に購入者側の希望価格を聞く
- 契約書チェックは慎重に
値引きに応じなくてもいい場合もある
購入希望者から値引き交渉があった場合、やはりいくらかでも応じてあげた方が先方にとっては「おトク感」が出ますので成約となりやすいことは確かです。
ですが、必ずしも値引きに応じなくてもいい場合もあります。
例えばもともとお値打ち価格で売り出していた場合。
もともと最大限安くしているので、これ以上は無理であることを伝えましょう。
それから 当初の売り出し価格から値下げ対応したばかりの場合。
事情を納得していただければ、それ以上値下げしなくても成約となる可能性大です。
先に購入者側の希望価格を聞く
1つのテクニックとして、先に購入者側の希望価格を聞いてしまうと話が早いです。
「いくらなら購入していただけますか」といった具合ですね。
そこで「今より200万円安ければ」と先方が答えたとします。
その場合、200万円という差額をどのような形で埋めていくかを考えればいいわけです。
必ずしもすぐに200万円値引きする必要はありません。
「こちらも何とか調整して100万円の値引きでいかがですか」
といった具合に妥協点を探っていきましょう。
契約書チェックは慎重に

交渉が成立して売買条件が整ったらいよいよ契約となります。
「売買契約書」は不動産会社に作成してもらえます。
買主側へ物件についての詳細を説明する「重要事項説明書」も不動産会社により作成され、宅地建物取引士より説明が行われます。
ここでの注意点は、あなたの方でも契約書にしっかり目を通してチェックすること。
基本的には契約書はひな形化されていて問題はないはずですが、何しろ大きな売買ですから担当者に任せっきりにするわけにはいきません。
- 条件はあらかじめ話した通りになっているか
- 金額に間違いはないか
- ローン特約はどうなっているか
など、特に金額面についてはしっかりと目を通しましょう。
ちなみに契約は一度締結すると、ローン特約など正当な理由がない限り簡単に解約することはできません。
どうしても解約したい時は違約金が発生してしまいます。
とても大きな売買の契約をするわけですから、その重大性をしっかり認識して慎重に契約を進めていきましょう。
引き渡しの際の注意点

いよいよ最終段階、引き渡しまできました。
家の売買取引における引き渡しでは、意外にも盛り沢山の手続きがあります。
大きなところでは、
買主→ローン実行と、売買代金残金の支払い。
売主→売買代金を受け取って、ローン残債を一括返済します。
細かなところでは、
- 固定資産税の精算
- 不動産会社への手数料支払い
- 抵当権抹消や所有権移転などの登記手続き
登記の手続きをお願いする司法書士への支払いも発生します。
このように大きな金額が一気に目まぐるしく動くわけです。
必要な書類は不動産会社から案内がありますので、その通りに用意すればOK。
売り主として引き渡しまでに注意すべき点としては、物件を空(から)にすること。
家財の一切は搬出して、物件と鍵を引き渡しの日付で引き渡さなければなりません。
もし家具の一部を残したい場合は、あらかじめ買主側と相談しておく必要があります。
そのほかには通常の引越しと同様で、
- 電気、ガス、水道の手続きをする
- 火災保険の解約をする
といったことも忘れないようにしましょう。
実際に家を売った人が「後悔したこと」TOP5

実際に家の売却を経験された方々は、その後で後悔することはあったのでしょうか。
不動産一括査定サービス「イエウール」では、自社サービスを利用して家を売却したユーザー100名を対象にアンケートを実施。
すると多くの人が後悔を感じている結果となっています。
不動産を売却した際に後悔した事は?TOP5
1位余裕のある売却スケジュールを立てなかったこと:23.2%
2位売り出し価格を低めに設定してしまったこと:22.2%
3位念入りな情報収集を怠ったこと:16.2%
4位買主との価格交渉で、譲歩しすぎてしまったこと:14.1%
5位査定額だけで決めてしまい、依頼先をよく検討しなかったこと:10.1%
1位は「余裕のある売却スケジュールを立てなかったこと」という結果に。
時間がなくてじっくり検討できなかった、売り急いでしまったことが後悔につながっているようですね。
経験者の声をご紹介しましょう。
1位:余裕のある売却スケジュールを立てなかった

- 新しいマンションの契約等と売却が重なり忙しくなってしまった。(40代 女性)
- 余裕がなく、急いで売ってしまった。(50代 男性)
- 思ったより売却が長引いた。(40代 男性)
住み替えの場合は「売却」と「購入」の両方を考えなければならないため、忙しくなりやすいですよね。
特に新しく購入する家が人気物件の場合はどんどん埋まっていってしまいますから、早い決断が求められることもあるかもしれません。
2位:売り出し価格を低めに設定してしまった

- もう少し高値でも売れたのではないか…と後悔している。(40代 女性)
- 売り出し価格の設定をもう少し高くしていたら、望んでいた売却価格に到達していたかもしれないと思った。(40代 男性)
- 相場より安い金額で売却してしまった。(40代 女性)
家を売るという行為はほとんどの人が初めての経験。
売り出し価格で悩んでしまう人が多いというのもうなづけます。
最初に低めに設定してしまうと、その後の状況次第で下がることはあっても上がることはほぼありません。
ですので、売り出し時はやや高めに設定するのが吉です。
ただし、売り出し時の価格に固執することなく、その後は柔軟に値引き交渉に対応していくのも早期売却のポイントになるでしょう。
3位:念入りな情報収集を怠った

- 売却価格が妥当か判断できなかった。(60代 男性)
- 固定資産税の支払いが大変で売り急いでしまった。もっと勉強してから売ればよかった。(50代 女性)
- 初めてでわからないことだらけ。そんな状態で売却してしまった。(50代女性)
あの時、もう少し知識があったら…💧
先を見越して勉強していない限り、いざという時になるとバタバタと事が進んでしまって調べる余裕がない、というパターンも多いようです。
以上、実際に家の売却を経験された方々のアンケート結果をご紹介しました。
家の売却は不動産会社に依頼すれば安心かというと、残念ながらそうではありません。
それぞれの会社によって考え方や情報量は異なりますし、担当者によって対応もさまざま。
そもそも家の売買は「この金額なら売れる」と言い切れるものでもありません。
買主との「ご縁」に大きく左右されるのも難しさの要因の1つでしょう。
Point!納得のいく取引のためには、やはり最初が肝心。
複数の不動産会社と接点を持ち、たくさんの話を聞くこと。
信頼できる担当者を見つけ出すこと。
インターネットを使って、自分でも相場や手順を調べること。
実際に売却活動が始まって購入希望者が出てくると、トントン拍子で話が進んでしまうことが多いようです。
そうなる前に、事前に知識を深めておけるといいですね。
⇒不動産一括査定サービスイエウール調べ
- 実施期間:2020年10月16日~10月30日
- 調査方法:過去にイエウール経由で不動産売却を経験した男女全国100名にアンケートメールを送付
⇒データ引用:PR TIMES-【アンケート調査】不動産売却を経験した多くの人が後悔!その理由とは
⇒イエウールの無料診断はこちら
まとめ:不動産会社選びは慎重に

ここまで、家を売りたい人のために役立つ情報を盛り沢山でお届けしてきました。
家の売却で失敗しないために、特に注意したい「価格の査定」から「媒介契約」といった初期段階について、改めてまとめておきます。
家の売却で失敗しないためのマル秘テク
- 一括査定サービスを活用すること
- 売却相場について自分でも調べること
- 売り出し価格は少し高めに設定する
媒介契約の際の注意点
- 査定価格だけで決めない
- 売却に強い不動産会社にする
- 信頼のおける担当者にする
- 媒介契約を1社だけに絞らない
この中でも特に大切なのは、「信頼のおける担当者」とタッグを組むことです。
「イエウール」のような一括査定サービスを活用するのも、信頼できる担当者とめぐり会うためです。
当初の査定金額だけにとらわれず、担当者が質問に対して的確に回答してくれるか、気兼ねなく相談できるかなどを確かめましょう。こちらからも心を開いて信頼関係を築くことができれば、売却成功へグッと近づくことでしょう。
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