個人再生とは?そのメリットとデメリットを解説。判断をしっかりと

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個人再生の特徴と制度の概要を詳しく解説

債務整理の方法のひとつに「個人再生」があります。
個人再生は、自己破産や任意整理と同様に日本で認められている債務整理の手段で、計画的に債務を整理して今後の生活の見通しを立てていくというものです。

今回は、個人再生のメリットやデメリット、制度の概要についてお話ししたいと思います。

小規模個人再生と給与所得者再生の違いって?

個人再生には、小規模個人再生と給与所得者個人再生というふたつの種類があります。

個人再生は債務整理の方法のひとつで、個人再生には二つの種類があります。

  • 小規模個人再生
  • 給与所得者個人再生

です。

名前 対象 圧縮される借金
小規模個人再生 個人事業者 返済総額が最大で5分の1(借金額が3000万円を超える場合は10分の1)
給与所得者個人再生 会社員など 返済総額が可処分所得の2年分以上

小規模個人再生の返済金額よりも高額であること

です。

小規模個人再生の場合は、債権者の同意が必要ですが給与所得者個人再生の場合は同意は必要ありません。

小規模個人再生の場合は債権者が反対するケースもある

小規模個人再生の場合は、債権者の消極的同意が必要ですが、すべての債権者がこれに同意すると決まっているわけてばありません。

裁判所の手続きが必要な個人再生ですが、小規模個人再生の債権者に対して「同意」を強制することは当然ですが不可能です。

所得者個人再生は

「不同意」の債権者が

  • 債権者「数」について半数以上の場合
  • 債権「額」について総債権額の2分の1を超える場合

は認可されません。

もちろん、個人再生は法律の効果で借金を圧縮する方法ではありますが、債権者は必ず同意しなければならないということではないため、同意しない債権者が現れる可能性もあります。

所得者個人再生を希望する場合は、債権者が同意してくれるかも大きなポイントとなります。

要注意!個人再生ができない場合もアリ

個人再生ができないというケースもあります。

  • 書類が揃わない
  • 収入などの条件を満たしていない
  • 小規模個人再生で必要な同意が得られない

です。
まず、個人再生は裁判所の手続きによるものですから、必要書類は必ずすべて揃えなければなりません。

ひとつでも書類が足りなかったり、不備があると手続きできません。

また、安定収入がない…再生計画案が認められないケースでも個人再生はできませんし、小規模個人再生の場合は債権者の必要な同意がなければ認可されなくなってしまいます。

手続きさえすれば、必ず個人再生できるというわけではないので注意が必要です。

個人再生の条件は

将来的に継続又は反復した収入がり再生計画に則った弁済が可能
債務総額が5000万円以下
小規模個人再生の場合は、債権者から1/2以上の不同意
給与所得者再生の場合は、過去7年以内に、個人再生手続のハードシップ免責許可決定や給与所得者再生の再生計画認可決定、破産手続免責決定を受けていないこと

です。

この条件を満たしていない場合は、個人再生は出来ません。

任意整理・自己破産・個人再生の違いは何?

個人再生の他に、任意整理や自己破産といった債務整理の方法があります。

それぞれの違いを表にして見ると

元金 裁判所の手続き 官報 ブラックリストになるか
任意整理 減らない 必要なし 載らない 登録される
個人再生 減る 必要 掲載される 登録される
自己破産 なくなる 必要 掲載される 登録される

です。

そして、自己破産の場合は資格制限があるため

一定の間は、以下の職業に就くことができなくなります。

  • 弁護士、司法書士、行政書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、公認会計士、税理士、通関士、宅地建物取引士など
  • 公務員の委員長や委員
  • 団体企業の役員
  • 会社取締役、執行役員、監査役
  • 貸金業者の登録者
  • 質屋
  • 旅行業務取扱の登録者や管理者
  • 生命保険募集人
  • 警備業者の責任者や警備員
  • 建築業を営む者
  • 割賦購入あっせん業者の役員
  • 下水道処理施設維持管理業者
  • 風俗業管理者
  • 廃棄物処理業者(一般・産業・特別管理産業)
  • 調教師・騎手

です。

任意整理や個人再生にはこのような制限はありません。

個人再生と自己破産はどちらも裁判所の手続きが必要で、官報にも掲載されるため似ているように思えますが、個人再生は支払いが残り、自己破産は残らない・・・。自宅を残せる住宅ローン特則は個人再生のみといった違いがあります。

個人再生するなら知っておきたいメリットとデメリット

個人再生のメリットとデメリットを知っておきましょう。

個人再生したらローンやクレジットカードが使えなくなるって本当?

個人再生をした場合は、官報に掲載されるだけでなく信用情報機関に事故情報が登録されるためブラックリストになります。

ブラックリストの状態では、新しい借入はもちろん、クレジットカードの契約やカードローン、カーローン、住宅ローンも難しくなってしまいます。当然ですが、事業資金の借り入れも困難になります。

そして、リース契約や保証会社が必要なマンションやアパートの契約も審査の通過が困難になります。

個人再生後の生活に大きな影響が出ることもあるため、留意しておきましょう。

もちろん、一生ブラックリストのままというわけではありません。

使えなくなるのは

クレジットカード すべての機能
家族カード すべての機能

です。

個人再生は官報に名前が掲載される!名前バレの覚悟も必要

個人再生は裁判所の手続きが必要ですので、官報に名前が掲載されることになります。

官報とは、国の広報誌のことで誰でも見ることができます。実際に見ている人はそう多くないのですが、官報で周囲の人に個人再生をしたことが知られてしまう可能性があります。

公文 国家の決定事項や外国との間の決定事項
各府省の決定事項
国会に関する事項
大臣や各省庁などの人事異動
公告 競争入札に関する告知
法律で公告が義務付けられている内容
教育職員の免許の失効
墓地の改葬
行旅死亡人の告知

が掲載されます。

官報は本屋さんなどで売っているわけではなく、普通の人はまずみることはないものですが、誰でも閲覧できるものでもあるため、個人再生をしたことが知られてしまうきっかけになる可能性は否定できません。

個人再生をしても借金は減らない?中には圧縮されない債務も

個人再生をしても圧縮されない債務もあります。

  • 国民健康保険の保険料
  • 国民年金の保険料
  • 税金
  • 養育費
  • 罰金
  • 給料
  • 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償
  • 婚姻費用

です。

税金や国民年金、養育費などは、個人再生をしても自己破産をしても支払いが減ったりなくなったりすることはありません。

債務のすべてが対象というわけてばありませんので注意しましょう。

個人再生は連帯保証人にも多大な影響が…

個人再生をした場合、お金を貸していた債権者は本人からの返済がされない部分の負債に関して、連帯保証人に返済するよう請求できます。

個人再生をしても、連帯保証人の債務がなくなるわけではありませんので、連帯保証人に請求が行くこととなり多大な迷惑をかける結果になってしまいます。

負債の中に連帯保証人がついているものがある場合は連帯保証人への影響を考慮しておく必要があります。

個人再生の手続きは面倒!難しくて面倒事も多い

個人再生の手続きは煩雑で時間がかかるため、素人が自分一人で手続きを進めるのは困難です。

多くの人が、個人再生の手続きを弁護士や司法書士に依頼しています。

もちろん、依頼すれば費用はかかりますが、個人再生の手続きをスムーズに進めるために専門家への依頼は大きなメリットがあります。

手続きの項目としては

弁護士・司法書士からに依頼

弁護士・司法書士が受任通知を賃金業者へ発送

過払い金の調査など

申し立て書類の作成と提出

個人再生手続きを開始

賃金業者へ債権届出を送付

債権認否一覧表の作成と提出

再生計画案を提出

決議

再生計画認可決定

返済

ととても項目が多く大変な手続きです。

個人再生は条件アリ。誰でもできるワケじゃない

個人再生には条件があり

  • 安定した収入がある
  • 負債総額は5000万円まで

です。

個人再生ができるのは負債総額が5000万円までで、安定継続した収入がある場合のみです。
個人再生では、借金は圧縮されますが支払い義務は残りますので、再生計画認可後にちゃんと返していけるかが大切なポイントとなります。

ですので、安定継続した収入は必須です。任意整理や自己破産の場合は収入の有無は問われませんが、個人再生では収入があることが大前提です。

個人再生の必要書類&費用相場をチェックしよう

個人再生の必要書類は

裁判所 申立書
陳述書
債権者一覧表
家計表
財産目録
自分で用意 戸籍謄本、住民票
給与明細書、源泉徴収票、同居人の給料明細など
年金通知書、児童手当支給決定書など
退職金見込額証明書など
所得課税証明書、確定申告書など
通帳の写し(2年分)
車検証、登録事項証明書、自動車の査定書など
保険証券、解約返戻金証明書など
固定資産評価証明書
借用書・返済予定一覧表
納税通知書
ローンの契約書、返済一覧予定表、間取り図(住宅ローン特則を利用する場合)

です。

上記以外にも必要な種類が出てくる場合もあります。

そして、個人再生の費用の相場ですがは50万~60万円程度となっています。これは弁護士や司法書士に依頼する場合の費用です。

自分で手続きした場合は

裁判所に

申立て手数料(収入印紙) 10,000円
官報公告費用としての予納金 12,000円
予納郵券(連絡のための郵便切手代) 4,000円~8,000円程度
個人再生委員に対する報酬(予納金) 150,000円~250,000円

を支払います。

事務所によって費用は異なります。そして、弁護士事務所や司法書士事務所によっては、分割払いに対応しているところありますし、後でご紹介する法テラスの利用可能というところもあります。

全国対応の弁護士や司法書士事務所の費用の相場としては

はたの法務事務所 個人再生 報酬350000円から
(再生委員に支払う費用として20万円~が必要)
アヴァンス法務事務所 個人再生363,000円(税込)
ひばり法律事務所 着手金 330,000円~
報酬金 220,000円~
経費5,500円
東京ロータス法律事務所 着手金任意整理330000円
弁護士法人アディーレ法律事務所 住宅ローン特例あり
基本費用 55万円(税込)
その他費用 申立費用3万3,000円(税込)住宅ローン特例なし
基本費用 46万2,000円(税込)
その他費用 申立費用3万3,000円(税込)
弁護士法人シン・イストワール法律事務所 住宅ローンなし 着手金 220,000円、成功報酬 187,000円
住宅ローンあり 着手金 330,000円、成功報酬 176,000円
ウイズユー司法書士事務所 個人再生:住宅ローン特則なし300,000円/住宅ローン特則あり350,000円(別途、予納金・申立印紙代が必要)
弁護士法人・響 個人再生(住宅なし)
着手金 33万円〜(税込)
報酬金 22万円〜(税込)
個人再生(住宅あり)
着手金 33万円〜(税込)
報酬金 33万円〜(税込)

などです。

事務所によって費用が異なりますので、比較してみましょう。

費用の相場は弁護士の場合で

債務整理の種類 弁護士費用の相場
任意整理 4~5万円+成功報酬10%
個人再生 30~50万円程度
自己破産 30~50万円程度

程度です。

弁護士の場合は司法書のように一社あたりの債務の額に上限はありません。

ですが、司法書士事務所よりやや相場としては高い傾向があります。

そして、司法書士事務所の場合は

債務整理の種類 司法書士費用の相場
任意整理 2~4万円+成功報酬10%
個人再生 20~40万円程度
自己破産 20~40万円程度

が相場です。

司法書士事務所の場合は一社あたりの債務が140万円以下である必要があります。

借金の返済額が再生前より多くなることもあるので注意

個人再生では借金が圧縮されますが、場合によっては再生前より返済額が大きくなることもあります。

個人再生には最低弁済額というものがあります。これは、再生後に最低限支払わなければならない金額の下限のことです。

  • 最低弁済額基準
  • 清算価値保証基準
  • 可処分所得基準

があり、最低弁済額基準は

~999,999円 全額
1,000,000円~4,999,999円 1,000,000円
5,000,000円~14,999,999円 借金総額の5分の1
15,000,000円~29,999,999円 3,000,000円
30,000,000円~50,000,000円 借金総額の10分の1

となっています。

小規模個人再生の場合は清算価値保証基準という基準を使用する場合があり、これは持っている財産によってきまります。

現金 99万円超
預貯金 20万円超
生命保険解約返戻金 20万円超
退職金 160万円超の8分の1
自動車 売却価格の見込額が20万円超の全額分
不動産 評価額から住宅ローンの残債を差し引いた金額
有価証券 時価
動産 時価で20万円以上

などです。

となると、清算価値保証基準が最低弁済額基準より高いというケースもでてきます。

このような場合は、清算価値保証基準が最低弁済額となります。

そして、給与所得者個人再生の場合は、可処分所得基準を最低弁済額の算定条件に加えて計算がされます。

これらの基準を用いるため、再生前より毎月の返済額が多くなるケースがあります。個人再生の場合3年での返済となりますが、これを5年にして貰うことも可能です。

個人再生では「債権者はみな平等」です

個人再生の場合、任意整理とは異なってすべての債権者が平等に取り扱われることになります。一部の債権者にのみ個人再生を適用することは不可能となります。

任意整理の場合は、整理したい負債だけを整理できますが個人再生ではそれはできません。

個人再生と破産の違いは、支払い義務が残ること

個人再生は自己破産と違って、借金の支払い義務は残ります。ただし、支払いの総額が

負債額が100万円未満の場合は、負債額全額
負債額が100万円以上500万円未満の場合は、100万円
負債額が500万円以上1500万円未満の場合は、負債額の5分の1
負債額が1500万円以上3000万円未満の場合は、300万円
負債額が3000万円以上5000万円未満の場合は、負債額の10分の1

のように、元本が大きく圧縮されるのです。

つまり、個人再生をしても借金がなくなるわけではないため、再生手続き後も返済をしていく必要があります。

個人再生の手続きは決して簡単なものではありませんし、自己破産と同様に官報にも掲載されますし、ブラックリストにも載ります。ですが、借金がすべてなくなるわけではありません。

裁判所が個人再生を認めないケースもあります

裁判所が個人再生を認めないケースとしては、書類の不備や再生計画案の内容などがあります。

個人再生は裁判所の手続きが必要ですから、書類はすべて揃える必要がありますし、再生計画案は実現可能な内容でしっかりと書かなければなりません。

自分での手続きが難しいといわれるのは、このあたりの書類作成のこともあるのでしょう。

弁護士や司法書士に依頼すれば、再生計画案の作成もサポートしてもらえるため、安心です。

個人再生の住宅ローン特則の条件とメリットとは

個人再生には、自己破産にはない「住宅ローン特則」という制度があります。

これは、簡単に言ってしまうなら「自宅を残して個人再生ができる」というものです。生活の基盤となる自宅を手放すことなく、住宅ローン以外の借金を圧縮して再生するという方法です。家族がいる場合などは、この住宅ローン特則を利用することで家族への負担を減らすことができます。

個人再生のメリット◎点

個人再生のメリットは

  • 元本を減らせる
  • 住宅ローン特則

です。

個人再生のメリットのひとつ、住宅ローン特則について見ていきましょう。

住宅ローン特則とは

住宅ローン特則とは、個人再生で利用できる制度で、条件を満たした自宅を残して個人再生ができるというものです。

自己破産の場合は、住宅を残すことはできませんが、個人再生で条件を満たしていれば自宅を残したままで債務整理が可能です。

住宅ローン特則で自宅を残す条件とは

住宅ローン特則には条件があります。

まず、

  • 住宅の購入やリフォームのために借りた資金
  • 不動産に住宅ローン以外の抵当権がついていない
  • 本人の名義で所有している
  • 本人が生活している
  • 代位弁済がされていない

ことです。

つまり、住宅ローン特則で残せるのは本人名義で本人が住んでいる自宅のみです。
もちろん、家族が同居していることは問題になりません。

ですが、別荘などは住宅ローン特則の対象外となります。

個人再生とあわせて検討したい債務整理の方法3選

個人再生と合わせて検討できる債務整理の方法をご紹介します。

自己破産で債務整理する

自己破産ですが、自己破産は個人再生のような住宅ローン特則はなく自宅などは手放すことになってしまいますが、免責が下りれば債務の支払いが免除されるため免責対象の債務に関してはゼロにして新しい生活をスタートさせることができます。

手放すものは多くても、免責でゼロになるという大きなメリットがあるのが自己破産です。

個人再生と同様に、官報への掲載とブラックリストなどのデメリットがあるほか、自己破産の場合には資格制限もあります。

弁護士に相談して任意整理

任意整理は個人再生や自己破産とは少し異なる部分があります。それは、裁判所の手続きが必要ないという点です。

任意整理では裁判所を解することなく、債権者と交渉をして将来の金利をカットして貰って計画的に返済をしていくというものです。交渉ですから、強制力はなく債権者は断っても良いのですが、同意してくれれば利息をカットして元本のみを3~5年で返済していきます。裁判所の手続きはありませんので、官報への記載はありませんが、信用情報機関への事故情報の登録は行われるため、ブラックリストを免れることはできません。

ですが、任意整理は交渉がメインですから書類などが比較的少なく済みますし、裁判所に出向いたり、自己破産のような管財人がつくこともありません。そして、すべての債権者と交渉する必要はなく一部の債権者のみとの交渉をすることも可能です。
例えば、まだ返済中の自動車ローンは残して消費者金融のカードローンのみを任意整理するということも可能です。
これは、自己破産や個人再生ではできないこと…元本は減りませんが、任意整理特有のメリットといえます。

過払い金請求を行う

過払い金請求は、債務整理の作業と同時に行われることが多いのですが、債務を整理するというわけではなく、過去の返済で過払い金…法定金利を超える金利を支払ってきた場合に、法定金利を超える部分に関しては返金を要求できるというものです。
依然、グレーゾーン金利と呼ばれていた高い金利でお金を借りていた人の中には法定金利を超える金利を知らはっていた人がいます。法定金利を超える金利は、違法ですからこの部分に関しては返金請求ができるのです。

借金を換えし終わっていても、まだ、返済中でも過払い金請求は可能です。ただし、過払い金は請求しなければ帰ってこないお金です。

過払い金請求をした結果、戻ってきたお金で借金をすべて返済できた…というケースもあります。
過払い金には時効がありますので、借金をしていたことがあるなら、早めに調査を過払い金請求をしたほうがいいでしょう。

個人再生をするには弁護士が必要?

個人再生の手続きを弁護士や司法書士を介することなく本人が行うことには、法律的には問題はありません。

しっかりと書類を揃えて適切な手続きをできるのであれば、法律上は本人の手続きで問題はありません。ですが、先ほどもご紹介したとおり、個人再生の手続きは煩雑ですし、弁護士や司法書士に依頼する人が大半です。

個人再生は家族にも悪い影響がある?

個人再生をした場合の家族への影響ですが、まず、個人再生の借金減額や官報への掲載、ブラックリスト等は本人のみです。
例えば、妻が個人再生をしても夫の財産や借金には何の影響もありません。例え夫婦であったとしても別のものとして取り扱われることになります。

もちろん、子供の財産は子供のものですし、夫婦であっても個人再生の効果が及ぶことはありません。

ただし、同居している場合などは影響を受けることも出てくるでしょう。

まず、ローンが残っている本人名義の自動車に関しては、残すことができなくなります。そして、住宅ローン特則の対象にならない不動産に関しては処分する必要があります。
住宅ローン特則を利用すれば、本人が住んでいる自宅は残すことができますが、それ以外の別荘や店舗などはすべて売却することになります。

住宅ローン特則で、自宅を手放すことなく個人再生ができるケースでは、家族への影響は少なくてすみますが全くゼロというわけにも行かないケースもでてきます。

また、本人はクレジットカードやローン契約ができなくなりますが、家族の信用情報には影響しないので、家族は自分名義でローンをくんだりクレジットカードを作ったりすることができます。
ですが、本人名義の家族カードについてはクレジットカードが利用できなくなるので注意が必要です。

また、個人再生などの債務整理で家財道具を差し押さえられる…みたいなイメージがあるかもしれませんが、個人再生をしたからといって自宅に人が入ってきて差し押さえられる…というケースはまずありません。

日常生活に必要な家財道具や衣類、食品などはそもそも処分の対象にならない財産ですし、個人再生をした場合でも一定の自由財産の所有は認められます。

自由財産は、99万円以下の現金のほか、差押禁止財産として

・テレビ
・家具
・布団
・衣類
・食器類

といった、日常生活に欠かせない道具が含まれています。
テレビや家具などを差し押さえられることはあり得ませんので、安心してください。

また、選挙権がなくなるとかパスポートを取り上げられるなんてことも起こりません。

家族や会社にバレずに個人再生する方法

個人再生したことを家族や会社に知られたくないという人は少なくありません。

個人再生の場合、官報で知られてしまうリスクがあるほか、家族の場合は、自由財産の処分やクレジットカードの利用停止などで発覚してしまう可能があります。

もちろん、弁護士や司法書士には守秘義務がありますから、ここからバレることはまずないといっていいでしょう。

個人再生後でも利用できる支払方法を覚えておけば安心

個人再生後は、ローンやクレジットカードが利用が出来なくなりますが、

  • デビットカード
  • 電子マネー
  • 仮想通貨

などの利用はできるほか、ポイント類も再生前と同様に利用できます。

電子マネーやQR決済のチャージにクレジットカードの利用はできませんが、現金チャージや口座からのチャージは問題ありません。

個人再生をしたらETCは使える?

個人再生をしたら今まで利用していたクレジットカード決済のETCは利用できなくなります。元になるクレジットカードの利用が停止されるためです。

ですが、ETCパーソナルカードというデポジット制のカードであれば利用可能です。これは、クレジットカードのように信用情報が関係なく、デポジットしておくタイプのETCカードです。

このパーソナルカードであれば、個人再生や自己破産、任意整理後でも利用できます。

再生計画認可には裁判所での判決が必要

個人再生に必要な、再生計画ですが、これは裁判所の認可が必要です。

裁判所が「これでいいですよ」とみとめてくれることで、借金の圧縮などの効果が発生します。

再生計画認可が確定するのにかかる時間は地域によって異なる

再生計画認可までの時間は地域となどによって異なります。

一刻も早く認可されたいという気持ちもありますが、ここは認可までまつしかありません。

再生計画認可後もギャンブルや借金できる?

再生計画認可後ですが、特に行動の制限はありません。

ですので、ギャンブルをしても投資をしても手続き後であれば、法的な問題は発生しません。

手続き中 行動制限はないものの避けた方が無難
認可後 問題はない

です。ただし、ギャンブルが原因で再生計画通りの支払いが出来なくなってしまわないようにする必要があります。

民事再生法 第174条第2項という規定があり、再生計画の遂行ができないと判断された場合は、認可されなくなることもあります。

再生計画認可後に借金を滞納した人の末路

もし、再生計画認可後にまた、滞納してしまったらどうなるのでしょうか。

もちろん、再生計画認可後に滞納したからと言って逮捕される!なんてことはありません。ですが、滞納してしまうとせっかく認可された再生計画が取り消さけることもあります。

再生計画認可後に取り消されてしまうと、住宅ローン特則の効果もなくなり、一括で返済できないと自宅を手放すことになってしまう可能性もありますし、場合によっては債権者から訴訟を提起されて「支払い請求」をされることもあります。

再生計画認可まではとても大変な手続きをしてやっとみとめられたのに・・・再生計画を遂行できなくなってしまうと大変なことになってしまうということです。だからこそ、再生計画は慎重に無理なく計画を立てる必要がありますし、再生計画認可後はしっかりと返済をして行くことが大切になってくるのです。

ですが、人生は何が起るかわからないもの・・・しっかり働いていても、会社が倒産したり、自然災害や病気、怪我、パンデミックなどで収入がなくなってしまって、支払いをしたくでもできないというとこともあります。

個人再生をした後、返済をしている期間中はブラックリストに載っている状態ですから、銀行などでお金を借りてその場をしのぐことも叶いません。

では、やむを得ない理由で、再生計画を遂行できなくなってしまったときにはどうしたらいいのでしょうか。

再生計画案の見直しも可能なのでご安心を

再生計画認可後に、何が起るかはわからないもの・・・自然災害やパンデミック、病気などやむを得ない理由があることもあるでしょう。そのような場合は、再生計画認可後でも見直しが可能です。

裁判所に1度、認めて貰っていてもやむを得ない理由で支払いが困難になったという場合は、見直しの申請ができるのです。ついつい裁判所だし、後から見直しなんてできないのでは・・・と思ってしまうこともありますが、実際は可能です。ですので、不測の事態という場合は、支払いができなくなったからといって諦める必要はありません。

裁判所に申し立てを行えば、再生計画を見直してもらって返済の延長などを申請することも可能です。

返済期間が3年間の場合は最長5年間、5年間であれば最長7年間と2年まであれば延長できるので、滞納しそうなときには弁護士や司法書士に相談をするか、自分で裁判所に申請をして延長の手続きをしましょう。

個人再生は法テラスの利用が可能なので費用面も安心

個人再生はできれば、弁護士や司法書士に依頼したいもの・・・ですが、個人再生を検討しているという時点で経済的に困窮していることも多く、なかな費用面で難しいというケースもあります。そのような場合には法テラスの利用を検討しましょう。

法テラスとは、日本司法支援センターの愛称です。この制度は、総合法律支援法に基づいたもので、日本国政府が設立した法務省所管の法人です。

法テラスは、法律専門職によるサービスをより身近にするために作られた支援制度で条件を満たしていること、そして、事務所が法テラスの利用可能な事務所であれば利用できます。

費用面で困ったときに利用できるのが、法テラスの「民事法律扶助業務」を利用できます。

法テラスと契約している弁護士・司法書士事務所を利用しており、以下収入の条件と資産の条件を満たしていれは利用可能です。

法テラスの利用条件

法テラスは誰でも利用可能というわけではなく条件があります。

収入要件

人数 手取月収額の基準 家賃又は住宅ローンを負担している場合に
加算できる限度額
1人 18万2,000円以下
(東京・大阪など生活保護一級地の場合20万200円以下)
4万1,000円以下
(東京・大阪など生活保護一級地の場合5万3,000円以下)
2人 25万1,000円以下
(東京・大阪など生活保護一級地の場合27万6,100円以下)
5万3,000円以下
(東京・大阪など生活保護一級地の場合6万8,000円以下)
3人 27万2,000円以下
(東京・大阪など生活保護一級地の場合29万9,200円以下)
6万6,000円以下
(東京・大阪など生活保護一級地の場合8万5,000円以下)
4人 29万9,000円以下
(東京・大阪など生活保護一級地の場合32万8,900円以下)
7万1,000円以下
(東京・大阪など生活保護一級地の場合9万2,000円以下)

資産要件

人数 資産合計額の基準
1人 180万円以下
2人 250万円以下
3人 270万円以下
4人以上 300万円以下

となっています。

お金がたくさんある人や資産がある場合には利用できないということです。

法テラスの趣旨は、多くの人が法的なサービスを受けられるようにというものですから、経済的に厳しいひとに対して、費用の立て替えや無料相談といったサービスを提供しているのです。国が行っている制度ですし、安心して利用して問題ありません。

ただし、どの事務所でも利用できるというわけではないので。法テラスの利用可能という弁護士や司法書士の事務所を利用することも忘れないようにしましょう。

個人再生をしたら車はどうなる?差押えが心配

個人再生をした場合に、所有している自動車はどうなるのでしょうか。

住んでいる地域によっては自動車は生活の脚であり、必要なものということもありますし、仕事によっては車がなければ業務ができないということもあります。

個人再生は自己破産と異なって、財産を強制的に没収されることありません。そして、自由財産として、99万円以下の現金や差押禁止財産(テレビ、家具、布団、衣類、食器類など生活に欠かせない道具)などの所有は当然認められています。

では、自動車はどうなるのでしょうか。

まず、ローン返済中の自動車の場合、これはローン会社に引き上げられてしまいます。自動車ローンの多くは、担保や所有権がついており、返済してから所有権が本人のものになります。ですので、ローン返済中に個人再生をした場合は、自動車はローンに持って行かれてしまうのです。

これは、自己破産のような財産の没収ではなく、ローン返済中の車についている担保もしくは所有権の行使ということです。もちろん適法な行為ですから、これを止めるすべはありません。

では、ローン返済が終わっている場合はどうでしょうか。

ローン返済がすでに終わっている自動車の場合は、没収されることは原則としてありません。

表にするとこんな感じです。

ローンが残っていない 所有できる
返済中で所有権や担保がついている ローン会社に引き上げられる
返済中だが所有権や担保がない 所有できる

という感じです。

つまり、ローン返済中がどうか、そして、所有権や担保がついているかがポイントになるということです。

ローン返済中で名義がローン会社になっている場合は車は諦めるしかないのでしょうか。実は、方法はあります。

親や兄弟、親戚などに頼んで、自動車ローンを返してもらうという方法ですが、これには、法的な問題もあります。そして、ローン会社に別除権協定を申し込んで自動車の引き上げをしないでもらうという方法です。これは、ローン会社に交渉をして「支払いをしますので、引き上げないでください」という内容に同意してもらい、これを裁判所に認可して貰うということです。

債権者平等の原則に反する行為のため、例外中の例外ですが、例えば、大工や運送業者などで、自動車がないと仕事ができない・・・という場合には認められるケースもあります。

まとめ

個人再生は、借金を圧縮して支払っていくという債務整理の方法です。

自己破産のようにすべての債務の支払いがなくなるわけではありません。ですが、財産を手元に残して再生できるといメリットがあります。

個人再生Q&A

質問です個人再生はお金がかかりますか

回答です。はい、裁判所に手続きをするための費用がかかります。

質問です 秘密厳守ですか?

回答です 官報に掲載されるため知られるリスクはあります。

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ゆび
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