参院選シミュレーション

 夏の参院選の結果は、安倍政権の命運や野党の消長を左右する。注目の議席ラインでは、「改憲勢力」で88議席以上を獲得し、憲法改正の国会発議に必要な3分の2を維持できるかが焦点だ。一方、与党が53議席以上なら非改選と合わせて過半数を維持し、「衆参ねじれ」の再現は免れる。
 定数を6増する公職選挙法改正に伴い、今回の参院選の改選数は3増えて124議席。非改選を合わせた全体の定数は245となり、3分の2は164だ。与党と改憲に前向きな日本維新の会、希望の党の非改選は76で、88人の当選が必要。これをクリアすれば、改憲に向けた機運が高まる可能性がある。
 ただ、与党が大勝した2013年でも、自民65、公明11、維新8の計84。このため、与党内では「3分の2の維持は難しい」との見方が大勢だ。自民党からは、改憲論議自体には前向きな国民民主党の協力を期待する声が上がる。

「改選過半数63が目標」―公明

 これに次ぐ与党の目標は改選過半数の63だ。公明党が公認した13人を全員当選と仮定すると、自民党は50議席の確保が求められる。野党が32ある改選数1の1人区全てで統一候補を擁立した16年でも、追加公認を含め56人が当選しており、高いハードルとは言えない。
 ただ、今年は12年に1度、4月の統一地方選と参院選が重なる亥(い)年で、地方議員や支持団体の選挙疲れから、苦戦を予想する向きが多い。公明党幹部は「改選過半数が与党の目標だ」と語るが、自民党内では「容易ではない」との声が漏れる。

議席減でも「勝利」?

 安倍晋三首相側近の萩生田光一幹事長代行は勝敗ラインについて、非改選を含めた与党で過半数と唱える。菅義偉官房長官や甘利明選対委員長ら政権幹部も同様の認識を示しており、ある党幹部は「苦戦を見越して低めに設定している」と明かす。与党の非改選議席は70のため、53議席以上なら過半数の123に届く。
 しかし、与党の改選78議席から大幅減となるため、党内外から「勝利」と受け止められるかは不透明だ。自民党関係者は「改選過半数を下回れば政局のにおいがしてくる」と指摘。「参院で過半数を割れば首相退陣もあり得る」との認識も示した。
 一方、立憲民主党など野党側は、今回も1人区の候補一本化を進め、共闘態勢の構築を目指す。参院で与党過半数割れのねじれを再現し、首相を退陣に追い込む戦略を描く。国民の玉木雄一郎代表は12日の定期党大会で、「1人区での1対1の構図づくりに全力を挙げたい」と強調した。