30年ぶり、欧米の反発必至

 政府は20日、クジラの資源管理について話し合う国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、IWCが禁じる商業捕鯨を北西太平洋で約30年ぶりに再開する方針を固めた。捕鯨の是非をめぐってこう着状態に陥っているIWCでの議論に見切りをつける。米国やオーストラリアなど反捕鯨国の反発は必至。2020年の東京五輪・パラリンピックを控える中、外交関係への影響も懸念される。
 来週発表する。来年1月1日までにIWC事務局に通知すれば、6月末での脱退が決まる。日本の国際機関脱退は極めて異例。日本は、クジラを食べる食文化や適切な規模の捕獲は正当との主張のもと、捕鯨を行う考えだ。
 日本は最大の分担金負担国として毎年約2000万円をIWCに支払っていたが、それも打ち切る。2年に1度開催されるIWC総会での議決権は失う。生息数などを調べる科学委員会にはオブザーバーとして引き続き参加する方針だ。
 日本は現在、資源調査の目的で南極海と北西太平洋でミンククジラなどを年間約630頭捕獲しているが、脱退により南極海での捕鯨は国際条約上できなくなる。商業捕鯨は、来年にも日本の排他的経済水域(EEZ)や近海でのみ実施する見込み。
 日本は1951年、IWCに加盟。IWCが資源枯渇を理由に商業捕鯨の「一時停止(モラトリアム)」を決めたことを受け、88年4月に商業捕鯨を中断した。一方で、87年からは科学的データの収集のため、IWCが認める調査捕鯨を行っている。
 今年9月、ブラジル・フロリアノポリスで開かれたIWC総会で、日本は商業捕鯨再開を目指した提案を行ったが、欧米などの反対多数で否決された。直後に日本政府は「あらゆる選択肢を精査する」と表明、脱退を示唆していた。
 商業捕鯨は現在、アイスランドとノルウェーが実施。また、カナダは非加盟国だが、科学委員会には参加している。