来年5月1日の皇太子さまの新天皇即位に向け、政府は「平成」に代わる新元号を4月中に公表する方向で調整に入った。2~3月に公表する案もあったが、皇位継承後の公表を主張する保守派に配慮し、5月1日に近づけることにした。近く最終判断し、公表時期を含めた改元の段取りを1月にも発表することを検討している。
 新元号に関し、国会は昨年の退位特例法成立時に付帯決議を採択し、「改元に伴って国民生活に支障が生じないようにする」ことを政府に求めている。これを受け、政府は今年5月、新元号の公表時期を改元の1カ月前と想定し、情報システム改修などの準備を進めることを決定。各自治体や関連する業界にも、これを踏まえた適切な対応を要請している。
 1979年に成立した元号法は「元号は、政令で定める」と規定している。だが、保守系の団体は「元号は本来、天皇のものだ」と主張し、代替わり後に新元号を決定・公表するよう要求。自民党保守派も同調し、首相官邸内でも衛藤晟一首相補佐官が同様の主張を展開しているとされる。
 政府関係者によると、安倍晋三首相はこうした動きを踏まえ、事前公表の方針は堅持しながらも、自身を支持してきた保守派の意向を酌む必要があるとの判断に傾きつつあるという。
 公表から間もなく改元となれば、システム改修作業は逼迫(ひっぱく)する。段取りの事前公表には、これを緩和する狙いがある。
 菅義偉官房長官は5日の記者会見で「元号は内閣の責任で定める」と強調。新元号の公表時期について「国民生活への影響も考慮し、適切に検討していきたい」と語った。