首相、26日の出馬表明調整

 9月の自民党総裁選(7日告示・20日投開票)に向け、安倍晋三首相(63)は26日に鹿児島県で正式に出馬表明する方向で調整に入った。立候補表明を地方で行うのは異例で、大きな比重を占める地方票を意識したものだ。対抗馬の石破茂元幹事長(61)も地方議員らへの働き掛けを強めており、争奪戦が本格化する。
 首相は22日、山梨県鳴沢村の別荘滞在を切り上げ、今週末から「地方行脚」を再開。鹿児島のほか宮崎、富山、愛知、徳島の各県などを回る予定だ。26日は鹿児島県内で党県連会合への出席などを計画しており、その後に連続3選を目指す決意を明らかにする段取りが想定されている。
 首相陣営によると、鹿児島で表明する理由について、首相の地元山口県との「薩長同盟」が明治維新の原動力となった史実に由来するという。「地方重視」とともに、「改革」姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。
 地方票はこれまでの300票から、国会議員票と同数の405票となった。5派閥の支持を得た首相は議員票で優位に立つが、陣営は「地方票の行方は読み切れない」と語る。首相は「完勝」により求心力を高めたい考えで、周辺からは「現職の総裁だから、最低半分以上に支援してもらわなかったら信任されたことにならない」(下村博文細田派事務総長)との声が出ている。
 これに対し、石破氏は夏休み返上で各地を回り続けており、地方票で巻き返しを図る。22日は北海道幕別町で開かれた同党道議の会合で講演し、地方の衰退を「日本最大の課題だ」と訴え、訪日外国人客の増加に取り組む考えを強調した。
 10日に出馬表明した際も、石破氏は農林水産業を中心に地方創生に取り組む方針を示した。首相が候補者同士の討論会に消極的なことを踏まえ、単独でも各地で街頭演説を重ねていく考えだ。