自民党は12日、憲法改正に関し、首相の衆院解散権制約も検討対象とする方向で調整に入った。20日の党憲法改正推進本部で提示する「論点整理」に盛り込む。国会での改憲論議を前進させたい考えだが、安倍晋三首相が提起する9条への自衛隊明記などの実現につながるかは不透明だ。
 改憲により解散権を制約すべきだとの主張は、衆院の野党第1党の立憲民主党が掲げている。自民党は立憲の考えを検討課題と位置付け、国会での憲法論議に引き込む狙いがありそうだ。
 改憲をめぐり、公明党は与野党の幅広い合意形成の必要性を唱え、野党第1党の理解を得ることを求めている。このため、自民党の改憲推進本部幹部によると、論点整理では、解散権制約を明示はしないが「各党の提案も積極的に検討する」などと打ち出し、野党に配慮する姿勢をアピールする。
 また、論点整理では、衆院選で掲げた9条改正と参院合区解消、緊急事態条項創設、教育無償化の4項目についての基本的な考え方や今後の課題を列挙。9条に関しては首相が提唱した1、2項を維持する案や党改憲草案に基づき2項を削除する案を併記する予定だ。
 一方、立憲は、首相の9条改正に反対の立場を崩していない。安全保障関連法を「憲法違反」と指摘。「現在の安保法制を前提に自衛隊を明記すれば、集団的自衛権の一部行使容認を追認することになる」と批判しており、自民党と溝がある。
 立憲の枝野幸男代表は12日、東京都内で記者団に「自民党の議論は右に行ったり左に行ったり、うろうろしている。いちいちコメントする対象ではない」と語った。