公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2015年度に5兆数千億円の運用損を出していたことが1日、明らかになった。株安が響いた。GPIFは15年度の運用結果を29日に発表する予定。
 民進党は安倍政権がGPIFの株式投資比率を倍増させたことが損失を拡大させたとみて批判している。同党が1日午前開いた年金損失追及チームの緊急会合で、山井和則国対委員長代理は「政策ミスにより5兆円の損失が出た。安倍首相が正直に国民に報告し、謝罪すべきだ」と強調した。
 GPIFは15年7~9月期に、中国経済の減速懸念に伴う株安から、四半期ベースで過去最大となる7兆8899億円の運用損失を計上。同年10~12月期は株価回復で4兆7302億円の運用利益を確保し、同年4~12月期では5108億円の損失となった。
 16年1~3月期は年明け以降の株安で大幅な損失を計上したとみられ、民間アナリストらは15年度としては5兆円程度の損失が出たと試算していた。
 16年度に入っても株価は軟調傾向が続き、6月24日は英国の欧州連合(EU)離脱決定で株価が急落した。このため民進党は、安倍政権が14年にGPIFの基本ポートフォリオ(資産構成)を変更し、国内外の株式への投資比率を計50%に倍増したことを「失敗だったのではないか」(山井氏)と批判している。
 自主運用を始めた01年度から15年12月末までの状況は、運用損を差し引いた上で運用益が計50兆2229億円に上る。塩崎恭久厚生労働相は6月28日の記者会見で、民進党の批判に対し「長い目で見て年金受給者に必要な資金を確保できるかどうかが大事だ」と強調した。