規模や時期、各国判断

 主要記念撮影に納まる(左から)欧州連合(EU)のトゥスク大統領、イタリアのレンツィ首相、ドイツのメルケル首相、米国のオバマ大統領、安倍晋三首相、フランスのオランド大統領、英国のキャメロン首相、カナダのトルドー首相、EUのユンケル欧州委員長=26日午後、三重県志摩市の志摩観光ホテル(代表撮影)国首脳会議(伊勢志摩サミット)は26日午後、三重県志摩市のホテルで初日の実質討議を行った。最大のテーマと位置付ける世界経済に関し、先進7カ国(G7)首脳は、持続的な成長のため構造改革に合わせ、機動的な財政出動に取り組むことで大筋合意した。ただし、英独両国は財政出動に慎重なため、規模や時期は各国の判断とした。G7はこうした内容を首脳宣言にまとめ、27日に発表する。
 世界経済に関する26日の討議後、安倍晋三首相は記者団に「世界経済は大きなリスクに直面しているという認識について一致した。そのリスクに立ち向かうために『伊勢志摩経済イニシアチブ』を取りまとめる合意ができたことは大きな成果だ」と強調した。オバマ米大統領も記者会見で「各国がそれぞれのニーズに基づき、成長に向けたステップを確実に進めていくことで合意した」と述べた。
 討議の中で、首相は「政策的対応を誤ると、通常の景気循環を超えて危機に陥るリスクがある」と指摘。新興国への投資伸び率が2008年9月のリーマン・ショック時よりも悪化している経済指標などを用いながら、経済の下振れリスクについて説明した。現状について「リーマン前の状況と似ている」との認識を示し、同様の事態を回避するため、財政出動、構造改革に金融政策も加えた「政策の総動員」の必要性を強調した。
 日本側の説明によると、財政出動や構造改革などに関する首相の提言に対し、他の首脳から異論は出なかったという。首相は「今後、日本も先頭を切っていきたい」と述べる一方、財政出動の規模や時期は各国の事情を反映させる必要があるとした。
 また、首相の世界経済に関する認識について、出席者からは「クライシス(危機)とまで言うのはいかがなものか」と疑問の声も出た。17年4月に予定される日本の消費税率10%への引き上げに関する言及はなかったという。

<写真:記念撮影に納まる(左から)欧州連合(EU)のトゥスク大統領、イタリアのレンツィ首相、ドイツのメルケル首相、米国のオバマ大統領、安倍晋三首相、フランスのオランド大統領、英国のキャメロン首相、カナダのトルドー首相、EUのユンケル欧州委員長=26日午後、三重県志摩市の志摩観光ホテル(代表撮影)>