骨に複数傷、殺人容疑立件へ/沖縄県警

 <写真:沖縄県うるま市の女性会社員が遺体で見つかり、米軍属の男が死体遺棄容疑で逮捕された事件で、遺体発見現場付近に供えられた花束=25日午前、同県恩納村> 沖縄県うるま市の女性会社員(20)が遺体で見つかり、元米海兵隊員の軍属シンザト・ケネフ・フランクリン容疑者(32)が死体遺棄容疑で逮捕されてから26日で1週間。これまでの調べにシンザト容疑者は「2~3時間、乱暴する相手を探した」「遺体をスーツケースに入れて運んだ」と供述しており、事前に準備された犯行だったことが浮かぶ。
 捜査関係者によると、「ナイフで刺した」とも供述し、遺体の骨に刃物による複数の傷があった。強い力で刺したとみられ、県警は殺意があったとみて、殺人容疑での立件に向け捜査を進めている。
 事件後県内では、同容疑者が働いていた嘉手納基地前などで抗議活動が相次ぎ、来月19日には大規模な県民集会が開催される。米政府は謝罪を表明しているが、実効性のある再発防止策は打ち出していない。県民の怒りが広がる中、オバマ米大統領が来日する。
 シンザト容疑者は4月28日夜から翌29日未明にかけて、同県恩納村に女性の遺体を遺棄したとして、今月19日に逮捕された。
 県警は女性のスマートフォンアプリの歩数計を分析し、女性が交際相手に「ウオーキングしてくる」とスマホから送信した4月28日午後8時から約1時間程度、歩いた可能性が判明。午後9時前後にうるま市の女性宅近くで襲われたとみている。
 スマホの位置情報は翌29日午前2時40分ごろに自宅から1・5キロ離れたうるま市州崎付近で途絶え、付近の防犯カメラに同容疑者の車が映っていた。
 シンザト容疑者は「棒で頭を殴り、女性を強姦(ごうかん)した」などと供述していたが、送検後は黙秘に転じた。県警は遺体の骨の損傷部位を鑑定し、刺された状況や死因を推定。殺人容疑適用に向け那覇地検と協議する。
 遺体遺棄現場となった恩納村の県道沿いの雑木林付近には25日、女性の無念の死を悼む多くの花束が手向けられていた。
 関係者によると、シンザト容疑者は米ニューヨーク州出身で、米海兵隊員として一時沖縄で勤務。日本人女性と結婚した。2014年に除隊する直前は、軍の補給管理部門で働いていた。SNS(インターネット交流サイト)には「日本語はあいさつレベル」と記していた。県南部の与那原町の戸建てに住み、幼い子どもがいるという。
 日米地位協定では、米軍人・軍属が公務中に事件や事故を起こした場合、米側に1次裁判権があるが、公務外については原則、日本側に裁判権がある。シンザト容疑者は事件当時、公務外で日本側が身柄を確保しており、日本の刑事手続きを経て裁判が行われる。

<写真:沖縄県うるま市の女性会社員が遺体で見つかり、米軍属の男が死体遺棄容疑で逮捕された事件で、遺体発見現場付近に供えられた花束=25日午前、同県恩納村>