米報告書

 中国がビルや塔を建設した南沙諸島の岩礁、クアテロン(中国名・華陽)礁=2015年5月上旬撮影、フィリピン軍関係者提供(時事)【ワシントン時事】米国防総省は13日、中国の軍事動向に関する年次報告書を公表した。中国は南シナ海・南沙(英語名スプラトリー)諸島の7岩礁を昨年後半までの2年間で約13平方キロ埋め立て、各国との武力紛争に至らないよう軍艦ではなく公船を利用した「威圧戦術」を採用して権益拡大を図っていると分析した。同時期の他の係争各国の埋め立て面積はわずか0・2平方キロという。
 報告書は南シナ海の人工島について「中国が恒久的な軍民共用拠点として活用し、長期的なプレゼンスを大幅に強化できるようになる」と警告。係争相手国や第三国の活動を探知してけん制する中国の能力を高め、部隊展開などに要する時間の短縮にもつながると指摘した。
 7岩礁での活動の詳細に関しては、昨年10月までに埋め立ては止まり、うち4カ所は施設建設の最終局面に入ったとの見方を示した。3000メートル級の滑走路を備えた残る3カ所にも、今後1年のうちに通信施設などが建設されると予測した。
 報告書はまた、中国は沖縄県・尖閣諸島を含む領有権の追求に当たり、「より高い緊張が生じることもいとわない」と強調。短期的には公船による威圧戦術を続けるが、長期的には「米国を含む第三者」の介入阻止に必要な高度な軍事能力の育成に精力を注ぐと警戒を示した。
 さらに、中国は成長する国力を、国際的影響力拡大のために用いており、ジブチに国外初の軍事補給拠点を開設すると公表したのは、こうした傾向を反映していると述べた。パキスタンなどへの新たな海軍の支援拠点設置を目指す可能性が極めて高いとも言及している。

<写真:中国がビルや塔を建設した南沙諸島の岩礁、クアテロン(中国名・華陽)礁=2015年5月上旬撮影、フィリピン軍関係者提供(時事)>