三菱自動車の燃費不正問題で、同社から軽自動車などの燃費算出に使う「走行抵抗値」のデータ測定を委託された子会社の担当者に対し、三菱自本体の管理職が燃費計算上有利になる抵抗値の低いデータを使うよう指示していたことが、13日までに分かった。
 走行抵抗値のデータは、実測値の中央値を国に提出し、燃費試験を受けるのが本来の方法。実測値の中から意図的に低い値を選べば、実際より燃費性能が良く算出される。三菱自の社内調査では、この管理職はデータの正しい取り方を知らず、低い値の使用を指示することが不正行為に当たるとは認識していなかったという。
 走行抵抗値は、車が走行中に受ける空気抵抗やタイヤと路面の摩擦などの大きさを示す。データ測定は、愛知県岡崎市にある三菱自の性能実験部が子会社の「三菱自動車エンジニアリング」(同市)に委託していた。
 関係者によると、2013年2月に軽自動車「eKワゴン」(供給先の日産自動車の車名は「デイズ」)の型式指定を国に申請する際、子会社の担当者がデータの扱いを三菱自の性能実験部に相談。この際、同部の管理職が抵抗値の低い数値を取るよう指示していた。
 国土交通省は13日、三菱自の不正の実態を明らかにするため、東京都港区の本社に対する立ち入り検査を開始。データの不正操作に同社上層部が関与していたかどうかの解明も今後の焦点となる。組織的な不正の有無などは、同社が設置した特別調査委員会でも詳しく調べる方針だ。