掲載日:2010/02/04

出雲市大社町にある株式会社大社木工の主力商品「福こづち」は、先々代が五十五年前に作り始めた商品。尾添範正社長(66)は、ネット販売の力で、素材も形も変えることなく、売り上げを四年間で30%伸ばした。
二〇〇〇年ぐらいからホームページを作っていたが「作ればそこから注文があると思っていた」と尾添社長。次男で同社ネット担当の泰宏さんにしても、「当初はどうしたらアクセスを増やし注文に繋げられるかが分からなかった」と語る。二〇〇四年の「しまね産業振興財団主催のWeb塾」に通い、自社ホームページを作り直したことが、転機となった。そこで気をつけたのは検索のしやすさと問い合わせメールへの返信の書き方だった。
「福こづち」は、一九四七年に先々代が中国電力にケヤキで作った電柱の腕木を納入する会社を経営する中で考案。一時は売り上げが一億円に達する景気の良いときもあったが、尾添社長が三代目を継いだ一九九五年は、バブル後のどん底とは言わないまでも縁起を担ぐ商品の売れ行きが良いわけはない時期だった。
以後、「赤ふさの還暦祝い」「紫ふさの古希祝い」などの製品を作って、「お土産=縁起物」だった「福こづち」に、個人のギフト用という新しいニーズを掘り起こした。インターネットの活用と、出雲大社ブランドとの相乗効果で一気に全国ブランドに成長させた。
尾添社長は「福こづちの売り方の工夫をしながら苦しい中でも仕事を続けてきた。これからは、私より古い機械で作っているので、これの手当てを行い、神社や結納品専門店などの大型顧客への需要に応えていきたい」と話す。泰宏さんは、ホームページにそばなどの特産品も掲載することで売り上げを更に伸ばしたいと意気込む。